コルク代表の佐渡島庸平が主催する文学サークルです。文学はひとりで楽しむより、仲間と楽しんだほうが、確実に味わいが深くなります。ここでは、古今東西の作品を題材に文学の嗜み方を語っていきます。月に1回、読書会も実施!文学を楽しもう!
コルク佐渡島の「文学を語ろう!」のサークル会員です!月に1回の読書会への参加。また、限定掲示板へ参加できます。
『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』などのマンガ・小説の編集者でありながら、ベンチャー起業の経営者でもあり、3人の息子の父親でもあるコルク代表・佐渡島庸平の思考を「おすそ分け」していくマガジンです。表では書きづらい個人的な話を含め、日々の日記、マンガや小説の編集の裏側、ここだけの対談レポート記事などを公開していきます。 詳しくは:https://www.sady-editor.com/n/ncaf941f64a0d
東京マンガレビュアーズの三桁を超えるレビューの中でも、面白い!これは売れた!など、特徴的なレビューを編集部で厳選してまとめていきます。ぜひご覧ください。
毎週水曜日、夜22時からyoutubeで生配信中!マンガ家さんやマンガ家を目指す方のための番組「水曜のマンガ道」。その中でも毎月第1週目に行われているマンガ編集者佐渡島庸平さん×鈴木重毅さんの対談を、MCであるなっちゃんが気まぐれに記事化しています。
市原が佐渡島さんに医療情報発信についてのあれこれを送り付けて読んでもらうためのマガジンです。
NVICが京都大学経済学部において、開設している寄附講義「企業価値創造と評価」。2019年度6月に行われた、株式会社コルク代表取締役の佐渡島庸平氏による「コルクの企業精神と役割」と題した講義の様子に、講義を聴いたNVIC奥野からの佐渡島さんへの手紙、そして佐渡島さんからの返信を加えた特別編集版をマガジンにまとめお伝えします。
コルクでは、行動指針のひとつに「やりすぎる」を掲げている。 新人時代は、とにかく「スピード」をやりすぎる。スピードが早まってくると、「量」をこなせるようになる。スピードに慣れ、長時間労働でなくても量ができるようなると、「質」を追求する余裕が生まれる。 スピード、量、質。 この順番で「やりすぎる」を意識していくのが、自分の成長を加速させていくために一番いいのではないか。そうした仮説を持っていることを、『「若いうちは、量をこなすべき」は本当か?』というnoteに以前書いた。
「文学とは、読者に寄り添うもの」 これは、小説家の平野啓一郎さんの言葉だ。世の中が殺伐としていても、あるいは深い孤独の中にいても、物語の世界に居場所がある。読者にとって生きる糧だと感じられるような作品をつくりたいと、平野さんは語っている。 ぼく自身にとっても、文学とはそんな存在だ。 以前投稿した『作品づくりの“根っこ”にある、南アフリカでの3年間』というnoteに詳しく書いたが、ぼくが文学から大きな影響を受けはじめたのは、南アフリカで過ごした中学生時代にさかのぼる。
先月、はじめて大腸内視鏡検査を受けた。 40代ともなると、健康への意識は自然と高まってくる。だが、大腸内視鏡検査については、そろそろ受けておくべきだろうと思いつつも、「準備が大変そうだし、まだいいか」と先送りにしてきた。そんな自分がついに行動に踏み切ったのは、あるきっかけがあったからだ。 平野啓一郎の最新短編集『富士山』に収められた短編『息吹』。この作品が、自分を揺り動かしたのだ。 「あり得たかもしれない幾つもの人生の中で、何故、今のこの人生なのか?」 これが本の帯に
「人の成長を爆発的に加速させるために、必要なものは何か?」 編集者として、多くの新人作家の育成に関わる中で、幾度となく考えてきた問いだ。そして、その答えとは、心から嬉し涙や悔し涙を流せるような「夢の舞台」ではないだろうか。 先日、インドネシアのジャカルタに訪問した。 その理由は、マンガ家の三田紀房さんが共同発起人をつとめている『アジア甲子園』が開催されたからだ。 このプロジェクトの発起人は、元プロ野球選手の柴田章吾さんだ。 柴田さんは中学時代に難病を患い、「このまま
「物語の力で、一人一人の世界を変える。」 この言葉をコルクではミッションとして掲げているが、その背景には、ぼくが『モーニング』編集部で経験してきたことが深く影響している。 モーニングでは、作品づくりの指針が明確に示されていた。それは、「読むと元気になる」だ。『ドラゴン桜』や『宇宙兄弟』の企画を立てるときも、この指針を強く意識していた。 実際、読者からの感想も「挑戦する勇気が湧きました」といった旨の言葉をもらうことが多い。そして、そうした言葉に背中を押されるようにして、「
「ただ一人、深く届ける相手を定める」 今年、『コルク創作6箇条』を定めた。そして、この言葉は、創作における全ての土台となる考えとして、6箇条の一番上に置いている。 作品は「誰か」に届けるために生まれるものだ。その「誰か」を明確に見つめなければ、作品は宙に浮いてしまう。編集者も作家も、まずは「届けたいただ一人」を心にしっかりと描いてほしい。そして、その人の心を動かすのはどんな物語かを考えていく。それが、この言葉に込めた想いだ。 先日、まさにこの言葉を体現していると感じる物
「言葉が変われば、世界の見え方も変わる」 同じ景色でも、レンズを変えれば全く違う風景が見えるように、言葉一つで物事の見え方は変わる。だからこそ、いまの自分にとって最適だと思える言葉と出会ったら、それまで使っていた言葉と置き換える。すると、世界の解像度がぐっと上がるのだ。 言葉に敏感であり、言葉を精査していくこと。 それが、自分の思考を深めるための核となる行為だと考えている 先日、まさにその大切さを実感する出来事があった。 宇宙兄弟のムッタは、自分の道に迷うと、いつもシ
「編集者的な生き方とは何か?」 編集者として20年以上働く中で、こうした問いが自分の中に生まれるようになった。 ぼくの編集者としてのキャリアは出版社から始まった。そのため初期は「編集」とは、本や雑誌、またはそこに掲載する作品を作る行為だと、捉えていた。 しかし、「編集」という行為は、本作りに限定されるものではない。会話の中で話題を選んだり、何を伝えるかを決めたりすることもまた、もうすでに情報の編集だ。そう考えると、編集とは日常のいたるところで必要とされる技術だ。 「編
先日、中国の福建省にある廈門(アモイ)へ出張に行ってきた。 コロナ禍以降、中国に入国する際には、観光やビジネスといった目的に関わらず、事前にビザを取得しなければならなくなった。 この手続きが結構な手間で、もしこれがなければもっと気軽に出張や旅行ができるのにな、と思わずにはいられない。実際、この影響もあってか、日本から中国を訪れる観光客はここ数年で激減しているという。 観光客が減少したこともあってか、YouTubeなどのSNSでも中国国内の文化や日常の情報をあまり見かけな
「なぜ作家エージェントが、今の時代に必要なのか?」 これは、コルクを創業した当初から繰り返し聞かれてきた質問だ。 現代は、多様なメディアが共存する時代だ。 SNSが発展する前は、作家はどこかのメディアに自分の作品を掲載しなければ、創作を続けることすら難しかった。しかし、SNSが普及し、ファンコミュニティから継続的な収入を得られる今では、メディアに依存しなくても活動を続けることが可能になった。 しかし、選択肢が多すぎるがゆえに、どのように創作活動を続けていくべきかを迷っ
「良い創り手であるためには、まず良い読み手であれ」 この言葉は、ぼくが新人マンガ家に必ず伝えるメッセージだ。 数多くのクリエイターたちと接してきて、一流のクリエイターたちに共通する特長に気づいた。それは「作品を読み解く力」の卓越さだ。 彼らは、感銘を受けた作品について、表現やセリフといった細部にまでひとつひとつ目を配る。そして、作者がどんな意図を込め、どのような効果を生み出そうとしているのかを、深く考察し、丁寧に語ることができる。 プロの作家が作品を世に出すまでには、
怒りとは、自分の甘えに気づくためのチャンスだ。 怒りが湧いてきたとき、その感情を無理に押し殺す必要はない。思い切り心の中で怒ってみる。そして、少し距離を置いて、自分を冷静に見つめる。 たとえば、他人が自分の指示通りに動かず、苛立ちを覚えることがあるかもしれない。でも、それはうまく指示が出せなかった自分にも責任があることが多い。その怒りは、他人に期待し、自分に甘えている証拠だ。 相手に怒りをぶつければ、一時的に感情は和らぐかもしれないが、それで根本が解決するわけではない。
現代のエンタメは、一瞬の勝負にさらされている。 スマホの画面を前にして、指が止まるか、スクロールされていくか。その刹那の判断で、観客の心を掴めるかどうかが決まってしまう。次々と押し寄せるコンテンツの波の中で、かつてないほど「瞬発力」が求められている。 その瞬発力を生むために、欠かせないのは「わかりやすさ」だ。 複雑な設定や入り組んだ展開は、受け手を迷わせてしまう。シンプルで直感的な表現によって、読者は瞬時にコンテンツに引き込まれる。「わかりやすさ」と「続きが気になる」工
「一枚の葉にとらわれては木は見えん。 一本の樹にとらわれては森は見えん。 どこにも心を留めず、見るともなく、全体を見る それがどうやら……『見る』ということだ」 これは、『バガボンド』で沢庵和尚が武蔵に語りかけた言葉だ。その言葉の意味するところの深さが、今になって改めて胸に響いている。 仏教には「色即是空」という言葉がある。 すべての形あるもの、物質的なものは、その本質において実体がなく、「空(くう)」である。だからこそ、何にも執着する必要はない、という考え方だ
「制約があったほうが、人はクリエイティブになれる。」 このフレーズは、さまざまな場面で語られているが、組織づくりにおいても例外ではない。完全な自由を与えられると、かえって人は動きづらくなるものだ。制約があるからこそ、創意工夫や独自の発想が生まれてくる。 コルクにおいて、編集者を育成する場づくりを進める中で、この「制約」の大切さを改めて感じている。 コルクは作家のエージェント会社として、作家の才能を最大限に輝かせるために、全方位的に活動をしていく。こう言うと聞こえはいいが
人は誰しも、自分の「メガネ」を通して世界を見ている。そのメガネのレンズは、主観や偏見と呼ばれる。 多くの人は「自分はメガネなんてかけていない」「ありのままの世界を見ている」と思いがちだ。しかし、『観察力の鍛え方』でも書いたように、人はメガネを完全に外すことはできない。 自分を理解するとは、つまり自分のメガネについて知ることでもある。メガネのレンズがどのような特徴を持っているかを知れば、今まで見えなかったものが突然見えてくることがある。メガネへの理解を深めることは、観察力を