佐渡島庸平(コルク代表)
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成長を前提とせず、「見守る」に徹する物語とは?
期待を手放し、相手を信頼し、ただただ見守る。
子育てをしていると、この「見守る」について、たびたび考えさせられる。
我が家では、もともと長男が不登校だったのだが、次第に次男も不登校になっていった。そこら辺の話は、以前に投稿した『「もう死にたい」という気持ちの裏側』というnoteにも書いた。
そして、今年の夏前から三男が不登校気味になり、9月からは週に1日だけの登校となった。
そんな中、学校
次に書く本のテーマは、間(あいだ)
ぼくにとって「本を書く」とは、自分の思考を整理し深める行為だ。
既に明確な答えがあるものを原稿としてまとめるのではなく、ぼんやりと考えていたことへの解像度を高めていく。「わからないけど、わかりたい」と感じている対象について、具体と抽象を何度も行き来しながら、考えを少しずつ煮詰めていく。
だから、一冊の本になるまでに、どうしても時間がかかる。コミュニティや居場所について考えた『WE ARE LO
組織の生産性を高める、「三角形の関係」とは?
誰かと深い関係を築こうと思ったら、練りに練った「長文」の告白をするのではなく、「短文」で対話を重ねる。
以前投稿した『心理的安全性と、短文コミュニケーション』というnoteに書いた言葉だ。
会社には多様な背景を持った人間が集まる。良かれと思って発信したメッセージや行動が、ネガティブに受け止められたり、意図しない解釈で受け止められてしまい、関係がこじれることがある。
他者同士が協力しあい、居心
“他者という鏡”に映る自分を認識する難しさ
どうやったら、いいアドバイスができるようになるか?
編集者として働き始めた時から、ずっと考えてきた問いだ。
編集者という仕事は、自分で作品をつくることはできない。ただただ、自分が感じたことを作家に伝えていく。だからこそ、状況に合わせて、より的確なアドバイスができるよう、自分なりに試行錯誤を重ねてきた。
でも、最近は「相手のために、いいアドバイスをしよう」という気持ちを手放したほうがいいと思っ
“無意識のトラウマ”を、どう認識すべきか?
自己認識の解像度を、どうやって高めていくといいのか?
自己認識の重要性を説く『insight』を読んで以降、この問いについて常々考えている。
以前に『ジョハリの窓から、「さらけだす」を再考』というnoteにも書いたが、自分は知らなくて、他人は知っている「盲点の窓(blind self)」にどう気づくのか。盲点は「気づきたい」と思っていても気づけないから難しい。
先日、Youtubeのチャンネ
感情を描く天才に聞く、“創作の喜び”とは何か?
マンガとは「情報」ではなく「感情」を伝えるもの。コルクラボマンガ専科で繰り返し伝えていることだ。
マンガを描き始めたばかりの人が陥りがちなのが、「できごと」の展開ばかりに注力してしまうことだ。その結果、ものすごく説明的な感じのマンガになってしまう。
大切なのは、できごとの情報ではなく、登場人物ができごとをどう受け止め、どんな感情を抱いたか。感情の情報だ。
できごとがあって、感情は芽生える。あ
ありたい姿が明確になると、視点が自然と変わっていく
創業してから10年が過ぎ、目指す経営者像が全く変わってきたという話を、以前にnoteで書いた。
ぼくのあり方を振り返ると、チームを引っ張ろうという考えが以前は強かった。率先して先頭を走り、みんなを力強くリードしていく。率先垂範。それが経営者としても、リーダーとしても、あるべき姿だと思っていた。
でも、ぼくがコルクで目指したいのは、一人ひとりのメンバーが個性を発揮し、ぼく一人では想像もつかなかっ
AIがもたらす、健全なフィードバックの受け方
コルクの行動指針のひとつに「まきこむ」がある。
仕事の成果とは、多くの人たちの協力によって生まれる。どういう風に接すると、相手が協力したいと気持ちよく思えるか。そのことを常に意識しながら行動しようというメッセージが、この言葉には込められている。
この「まきこむ」について考える時、イソップ寓話の『北風と太陽』をよく思い出す。北風のように、力技で相手を動かそうとすると、逆に相手の心は閉じてしまう。
復讐もの以外描けない。この現実について思うこと
コルクでは「物語の力で、一人一人の世界を変える」をミッションに掲げている。では、“物語の力”とは何か?
先日、北京に出張してきた。
中国発のマンガは「国漫(グォーマン)」と呼ばれていて、基本的に紙ではなく、アプリで読まれる。そのほとんどはフルカラーで、縦スクロール読みだ。
現在、中国最大のマンガ配信プラットフォームである『快看』のユーザー数は3億人で、月間アクティブユーザー数は5,000万人
いよいよ始まった、『宇宙兄弟』の山王戦
担当作家の才能に惚れ込み、世に届けたいと思うことが編集者の原動力になる。
小山宙哉の才能を、多くの人たちに知ってもらいたい。
小山宙哉と出会った時からその気持ちは変わらないが、『宇宙兄弟』が15周年迎え、43巻が発売された今、その想いはより強まってきている。
『宇宙兄弟』を読んでる多くの人は、小山宙哉の才能のすごさはもう十分すぎるほど知ってると思うかもしれない。でも、その奥深さをまだ知らない
アサーションを学ぶと、「さらけだす」が上手くいく
コルクでは行動指針のひとつに「さらけだす」を掲げていて、この「さらけだす」という考え方について、ぼくのnoteでは何度も触れてきた。
なぜかというと、「さらけだす」は誤解を受けやすいからだ。
自分の恥ずかしいことや、他人に知られたら嫌なことを、思い切ってオープンにしていく。それが「さらけだす」だと受け止められることが多い。
勇気を持って話したくないことを話したら、周りがひいてしまって、傷つい
自分のものさしがあると、自然と「やりすぎる」
コルクでは行動指針のひとつに「やりすぎる」を掲げている。
以前に投稿した『若いうちは、量をこなすべきは本当か?』というnoteにも書いたが、この「やりすぎる」という言葉への解像度が上がってきている。
行動指針は、ぼく自身が体現できているわけではない。ぼく自身も、その言葉を何度も考え続け、更新していくものだと思ってる。
昔のぼくは「量」がまず重要だと考えていた。
多くの仕事をこなして経験を積ん
矢印を自分に向けないと、「さらけだす」は生まれない
コルクでは行動指針のひとつに「さらけだす」を掲げている。
価値観の違うもの同士が協力しあい、居心地のいいチームを築くためには、お互いの「前提となるもの」をさらけだしていくしかない。
例えば、仕事の打ち合わせなどで、みんなが「わかる、わかる」と言い合う様子は、傍目にはとてもチームワークがよく、互いに共感しあっているように見える。だけど、会話の内容を細かく聞いてみると、言葉が全然揃ってなくて、真逆
“経営の奥深さ”を、11期目で改めて実感
コルクは8月が決算月で、今月をもってコルクの11期目が終わる。
決算の内容を見返したり、来期について話をする中で、会社の成長スピードについて焦ったさを感じることがある。
社員も自分も「よくやっている」と思う部分はもちろんあるし、色々な人の助けにものすごく感謝の念が湧いてくる。
だけれども、ぼくらが実現しようと掲げていることには、まだまだ達成できていない。
コルクが実現したいと掲げているビジョン