マガジンのカバー画像

コルク佐渡島の『好きのおすそわけ』

『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』などのマンガ・小説の編集者でありながら、ベンチャー起業の経営者でもあり、3人の息子の父親でもあるコルク代表・佐渡島庸平の思考を「おすそ分け」していくマガ…
表では書きづらい個人的な話を含め、日々の日記、僕が取り組んでいるマンガや小説の編集の裏側、気になる…
¥800 / 月 初月無料
運営しているクリエイター

記事一覧

新人の成長を加速させる、完成度60%の思考法

コルクでは、行動指針のひとつに「やりすぎる」を掲げている。 新人時代は、とにかく「スピー…

何のために作品をつくるのか。創作の“根っこ”にある想い

「文学とは、読者に寄り添うもの」 これは、小説家の平野啓一郎さんの言葉だ。世の中が殺伐と…

“物語の力”は運命をも左右する。それを実感した出来事

先月、はじめて大腸内視鏡検査を受けた。 40代ともなると、健康への意識は自然と高まってくる…

成長を加速させる、“夢の舞台”がもたらす力

「人の成長を爆発的に加速させるために、必要なものは何か?」 編集者として、多くの新人作家…

理想とする創作のあり方を、体現してくれた作品

「物語の力で、一人一人の世界を変える。」 この言葉をコルクではミッションとして掲げている…

ただ一人に深く物語を届ける、その先にあるもの

「ただ一人、深く届ける相手を定める」 今年、『コルク創作6箇条』を定めた。そして、この言…

言葉を刷新することで、“見える世界”を変える

「言葉が変われば、世界の見え方も変わる」 同じ景色でも、レンズを変えれば全く違う風景が見えるように、言葉一つで物事の見え方は変わる。だからこそ、いまの自分にとって最適だと思える言葉と出会ったら、それまで使っていた言葉と置き換える。すると、世界の解像度がぐっと上がるのだ。 言葉に敏感であり、言葉を精査していくこと。 それが、自分の思考を深めるための核となる行為だと考えている 先日、まさにその大切さを実感する出来事があった。 宇宙兄弟のムッタは、自分の道に迷うと、いつもシ

編集者的な生き方。その本質は“空”にある

「編集者的な生き方とは何か?」 編集者として20年以上働く中で、こうした問いが自分の中に生…

中国を舞台に、世界の心に届くマンガをつくる

先日、中国の福建省にある廈門(アモイ)へ出張に行ってきた。 コロナ禍以降、中国に入国する…

なぜ作家エージェントが、今の時代に必要なのか

「なぜ作家エージェントが、今の時代に必要なのか?」 これは、コルクを創業した当初から繰り…

創作の質を変える『読み解く力』の鍛え方

「良い創り手であるためには、まず良い読み手であれ」 この言葉は、ぼくが新人マンガ家に必ず…

怒りの矛先が向けられた時、自分の器が問われる

怒りとは、自分の甘えに気づくためのチャンスだ。 怒りが湧いてきたとき、その感情を無理に押…

“わかりやすさ”の時代に、作家はいかに応えるか

現代のエンタメは、一瞬の勝負にさらされている。 スマホの画面を前にして、指が止まるか、ス…

どこにも心を留めず、見るともなく、全体を見る

「一枚の葉にとらわれては木は見えん。  一本の樹にとらわれては森は見えん。  どこにも心を留めず、見るともなく、全体を見る  それがどうやら……『見る』ということだ」 これは、『バガボンド』で沢庵和尚が武蔵に語りかけた言葉だ。その言葉の意味するところの深さが、今になって改めて胸に響いている。 仏教には「色即是空」という言葉がある。 すべての形あるもの、物質的なものは、その本質において実体がなく、「空(くう)」である。だからこそ、何にも執着する必要はない、という考え方だ