佐渡島庸平(コルク代表)

コルク代表・佐渡島のnoteアカウントです。noteマガジン『コルク佐渡島の好きのおす…

佐渡島庸平(コルク代表)

コルク代表・佐渡島のnoteアカウントです。noteマガジン『コルク佐渡島の好きのおすそ分け』、noteサークル『コルク佐渡島の文学を語ろう』をやってます。編集者・経営者として感じる日々の気づきや、文学作品の味わい方などを記事にしています。

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コルク代表の佐渡島庸平が主催する文学サークルです。文学はひとりで楽しむより、仲間と楽しんだほうが、確実に味わいが深くなります。ここでは、古今東西の作品を題材に文学の嗜み方を語っていきます。月に1回、読書会も実施!文学を楽しもう!

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  • コルク佐渡島の『好きのおすそわけ』

    『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』などのマンガ・小説の編集者でありながら、ベンチャー起業の経営者でもあり、3人の息子の父親でもあるコルク代表・佐渡島庸平の思考を「おすそ分け」していくマガジンです。表では書きづらい個人的な話を含め、日々の日記、マンガや小説の編集の裏側、ここだけの対談レポート記事などを公開していきます。 詳しくは:https://www.sady-editor.com/n/ncaf941f64a0d

  • 東京マンガレビュアーズ厳選おすすめ漫画レビュー

    • 28本

    東京マンガレビュアーズの三桁を超えるレビューの中でも、面白い!これは売れた!など、特徴的なレビューを編集部で厳選してまとめていきます。ぜひご覧ください。

  • 水曜のマンガ道【サディ×しーげる マンガ編集者談議】

    • 4本

    毎週水曜日、夜22時からyoutubeで生配信中!マンガ家さんやマンガ家を目指す方のための番組「水曜のマンガ道」。その中でも毎月第1週目に行われているマンガ編集者佐渡島庸平さん×鈴木重毅さんの対談を、MCであるなっちゃんが気まぐれに記事化しています。

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    • 3本

    市原が佐渡島さんに医療情報発信についてのあれこれを送り付けて読んでもらうためのマガジンです。

  • コルク佐渡島氏が考える「価値」

    • 8本

    NVICが京都大学経済学部において、開設している寄附講義「企業価値創造と評価」。2019年度6月に行われた、株式会社コルク代表取締役の佐渡島庸平氏による「コルクの企業精神と役割」と題した講義の様子に、講義を聴いたNVIC奥野からの佐渡島さんへの手紙、そして佐渡島さんからの返信を加えた特別編集版をマガジンにまとめお伝えします。

ウィジェット

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    観察力の鍛え方 一流のクリエイターは世界をどう見ているのか (SB新書)

    佐渡島庸平
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    WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜 (NewsPicks Book)

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    ぼくらの仮説が世界をつくる

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    居心地の1丁目1番地 〜それが分かると人生は少し自由になる

    コルクラボ

記事一覧

気づいた時には、もういない。その繰り返し

「わかりあえなさへの抗い」 人と人とは、わかりあうことなんてできない。それでも、わかりあいたいともがく。ぼくが心を動かされる作品には、多かれ少なかれ、この主題が…

500

具体と抽象を行き来する鍵、”AIDA(あいだ)”

物語が生まれる時、作家の頭で起きていることは何か? それは、具体と抽象の行き来だ。 物語だけじゃない。何かのアイディアが生まれる時は、具体と抽象の行き来が、すご…

500

「未来は変えられる」という意志を手放すこと。

「俺の敵はだいたい俺です」 『宇宙兄弟』のムッタのセリフだ。観察について思考し、バイアスについて考えれば考えるほど、この言葉の深さを感じずにはいられない。 世界…

500

第十章 具体の観察力

僕たちは生きている中で自分の言葉が相手に通じない経験をたくさんする。それはそこに「ズレ」があるからだ。しかし、ズレに気づきながらも、それを深堀りすることはほとん…

200

第九章 現在と過去、成功と失敗

僕たちは生きている中で自分の言葉が相手に通じない経験をたくさんする。それはそこに「ズレ」があるからだ。しかし、ズレに気づきながらも、それを深堀りすることはほとん…

200

「これってパワハラ?」の正解がない時代の道標。

時代が変われば、価値観も変わる。 自分にとって「当たり前」だと思ってきた働き方や考え方は、もはや通用しない。そう理解し、今の時代に寄り添いたいと必死に努力をする…

500
気づいた時には、もういない。その繰り返し

気づいた時には、もういない。その繰り返し

「わかりあえなさへの抗い」

人と人とは、わかりあうことなんてできない。それでも、わかりあいたいともがく。ぼくが心を動かされる作品には、多かれ少なかれ、この主題が共通して描かれている。

平野啓一郎の最新作『本心』も、わかりあえなさへの抗いを描いた物語だ。

「もう十分に生きたから」といって自由死を願う母親の嘆願を、主人公は受け入れられないいまま、母親を突然の事故で失ってしまう。「なぜ、母は自由死

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具体と抽象を行き来する鍵、”AIDA(あいだ)”

具体と抽象を行き来する鍵、”AIDA(あいだ)”

物語が生まれる時、作家の頭で起きていることは何か?

それは、具体と抽象の行き来だ。

物語だけじゃない。何かのアイディアが生まれる時は、具体と抽象の行き来が、すごい回数起きている。

編集者とは、その具体と抽象の行き来をサポートする仕事だ。

打ち合わせで、相手の言ってることをオウム返しすることもあるが、具体度・抽象度をズラして、答える。それが思考を揺さぶる。だから、経営者からも壁打ち相手を希望

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「未来は変えられる」という意志を手放すこと。

「未来は変えられる」という意志を手放すこと。

「俺の敵はだいたい俺です」

『宇宙兄弟』のムッタのセリフだ。観察について思考し、バイアスについて考えれば考えるほど、この言葉の深さを感じずにはいられない。

世界の観察を妨げているのは、まさに自分の脳だからだ。

ぼくらは観察する主体であるとともに、観察される対象の一部でもある。だから、自分自身を客観的に観察するのは難しい。

それを実感するひとつの例として、『観察力の鍛え方』の本では、自然保護

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第十章 具体の観察力

第十章 具体の観察力

僕たちは生きている中で自分の言葉が相手に通じない経験をたくさんする。それはそこに「ズレ」があるからだ。しかし、ズレに気づきながらも、それを深堀りすることはほとんどない。僕はそのズレは、世の中をみる解像度が違うことで生じると思っていた。でもそうではなかった。

細谷さんの『具体と抽象』を読んで、通じなさを生むのは、解像度ではなく抽象度だと気づいた。
今回、細谷さんと対談を通して「ズレ」についての深堀

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第九章 現在と過去、成功と失敗

第九章 現在と過去、成功と失敗

僕たちは生きている中で自分の言葉が相手に通じない経験をたくさんする。それはそこに「ズレ」があるからだ。しかし、ズレに気づきながらも、それを深堀りすることはほとんどない。僕はそのズレは、世の中をみる解像度が違うことで生じると思っていた。でもそうではなかった。

細谷さんの『具体と抽象』を読んで、通じなさを生むのは、解像度ではなく抽象度だと気づいた。
今回、細谷さんと対談を通して「ズレ」についての深堀

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「これってパワハラ?」の正解がない時代の道標。

「これってパワハラ?」の正解がない時代の道標。

時代が変われば、価値観も変わる。

自分にとって「当たり前」だと思ってきた働き方や考え方は、もはや通用しない。そう理解し、今の時代に寄り添いたいと必死に努力をするも、いつも空回りをしてしまう。

そんな中高年の悲哀が描かれているのが、『ティラノ部長』だ。

自分にとっては「優しさ」だと思っていたことが、逆に「パワハラ」になってしまう。こうした価値観の変化への戸惑いは、若い頃に強烈な成功体験をもって

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