佐渡島庸平(コルク代表)
記事一覧
僕は心の叫びを聞きたい
僕は、作家の心の叫びを聞きたくて、編集者になった。心の叫びを、そばで、一番初めに聞きたい。
ヒットさせるのは、二番目の欲望だ。編集者として価値を発揮したいから、ヒットできるように努力する。でも、僕の一番目の欲望は、心の叫びを聞く、だ。
先週のブログも安野モヨコについて書いたが、今週もだ。
4月8日発売のフィールヤングに掲載する『鼻下長紳士回顧録』の原稿を受け取り、僕は興奮している。2
うれしすぎて、リアクションがうまくできないこと
編集者がしない行為に一つに、サインをもらう、というのがある。
担当作家は、大好きな作家である。その記念の巻とかは、本好きとして、サインをもらって大切にとっておきたい気持ちになることもある。でも、原稿でクタクタで、ファンのためのサインでクタクタなところに、サインをお願いするのは心苦しすぎる。僕は、この15年間、一度も作家にサインをお願いしたことはない。
作家との打ち合わせで、普通なら話
ノルウェーサーモンの広め方は全てに通じる最強の方法
どんなプレゼントが好きかと言われると,本のプレゼントをされるのはうれしい。リブセンスの村上さんと初めてお会いした時,『アーキテクチャーの生態系』という本をプレゼントしてもらった。僕のインタビューなどから、この本を読むと世界が広がると考えて,わざわざ用意してくれていたのだ。
先日,知人が『築地魚河岸三代目』の21巻をプレゼントしてくれた。マンガの途中の巻をいきなりだ。こちらの状況を理解してくれ
僕にブコウスキーは口説けない
『ブコウスキーの酔いどれ紀行』という本が,再版される。『パルプ』という作品をダヴィンチの「この本にひとめ惚れ」というコーナーで紹介したら、なんとあとがきの依頼がきた。ブコウスキーは、僕にとって、神様のような作家だ。恐れ多くて一緒に本に僕の文章を載せることなんてできないと思ったが,1冊でも多くの人に届くのを手伝えるならやっぱりやろうと思った。下記の文章は,文庫本に掲載したあとがきだ。読んでいいと
もっとみる安全・安心な場って誰が作る?
世の中がどうなっていくのか分からず、漠然とした不安を抱えている人は多いだろう。技術の進歩も早すぎて理解が追いつかないし、トランプ大統領をはじめとし、世界中の政治家が何を考えているのか予想すらつかない。何が起きても不思議ではない。
知らない中での想像は、お化けと戦うのと同じだ。ただただ不安が募る。相手も自分と同じだと想定すると、どうやっても相手の行動が理解できない。その行動の裏にある悪意を読み