ノルウェーサーモンの広め方は全てに通じる最強の方法
どんなプレゼントが好きかと言われると,本のプレゼントをされるのはうれしい。リブセンスの村上さんと初めてお会いした時,『アーキテクチャーの生態系』という本をプレゼントしてもらった。僕のインタビューなどから、この本を読むと世界が広がると考えて,わざわざ用意してくれていたのだ。
先日,知人が『築地魚河岸三代目』の21巻をプレゼントしてくれた。マンガの途中の巻をいきなりだ。こちらの状況を理解してくれて、自分の好きなものを渡すことで手助けをする。本のプレゼントは、そんなことができるから僕は好きだ。相手の気持ちが伝わってくる。今回のプレゼントもすごく嬉しかった。
21巻は、ノルウェーサーモンがどうやって日本で広まり,日本人が食べるようになったのかの詳細が描かれている。
ノルウェーがやったことは二つ。
サーモンの質をあげる。天然のサーモンが鮨ネタになりにくいのは、寄生虫がいることがあるかららしい。だから、冷凍のルイベは食べれても,生では食べれなかった。寄生虫がいなくて、生で美味しいサーモンを作るために,ノルウェーは養殖場のあり方をすごく工夫した。
そして、もう一つは流通。なんと、ノルウェーから築地までたったの22時間で届く体制が整備されていて、日本近郊でとった魚よりも新鮮な状態で届けることができるようになっている。
産業は,すべて、「作って、届ける」この二つに集約されている。この二つをやりきらない限り、新しい流れ,産業は起こせない。どれだけ大変でもその両方をやりきる。それが、成功のための秘訣だということが、『築地魚河岸三代目』を読むとよく分かる。
そして、ノルウェーサーモンには、ノルウェーの人々の信念も乗っかっている。養殖は悪くて,天然物がいいという考えが日本には根強いが,養殖でまかなうことで自然の生態系に影響を与えない。自然と共存する精神がサーモンの養殖のは現れている。
コルクも作品を作って、届ける。この2つを時代に合わせて更新しないといけない。片方だけだと、成功しない。
ノルウェーは、やりすぎていた。どこにも甘えがない。ここまでやれば、それは成功する。そう思わされるほど、徹底的にやるしか成功への道はない。
もう一つ、キングコングの西野さんが面白い、クラウドファウンディングを始めていた。「しるし書店」というものを開くというのだ。その人が本のどこを大切に思ったのか、しるしの残っている本を帰る古書店。古本屋で書き込みがあると値段が下がるけど、しるし書店は、書き込みがあるから値段が上がる。全く逆の発想。でも、今の時代の人々の気持ちにあっている、すごくしっくりくる本の売り方だ。
僕が知人からもらった本も、ある意味、その人のしるしのある本だった。言葉の外のコミュニケーションは、実は饒舌で楽しく、嬉しいものなのだ。
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