佐渡島庸平(コルク代表)
記事一覧
自分の「好き」が、見つからない時に立てる問い
「正解を探そうとするのはやめよう」
ぼくが新人マンガ家によく伝える言葉のひとつだ。
新人は、僕の正解を探したり、社会の正解を探したり、誰かの顔色を伺うように作品を描いてしまいやすい。そういった作品は、他者を楽しませようと努力したのに面白くならず、どこかで見たような、ありふれたものになってしまう。
必要なのは、自分の「実感」を信じることだ。他者の正解ではなく、実際に感じた感情を正確に探り当てよ
人を育てるとは、期待しないこと
「人を育てるとは、期待しないこと」
経営でも、マンガ家の育成でも、子育てでも、最近のぼくはこう考えている。昔のぼくが聞いたら、「期待しないなんておかしい」と反論するであろうような考え方だ。
長い間、期待するのは良いことだと思っていた。
期待とは、相手の才能や能力に評価をし、相手を認めることでもあり、相手に自信を与えることにも繋がる。期待を感じているのなら、それが相手に伝わるように、言葉や態度
上手くいかない理由は、"覚悟"じゃない
「もっと覚悟を決めないと」
新人マンガ家と打ち合わせをしていると、この覚悟という言葉を定期的に耳にする。マンガにもっと真剣に向き合うことが必要で、その覚悟が足りていないから、自分の作品が良くならないのではないかと。
ぼくも昔はそんな風に考えていて、「もっと覚悟を決めよう」と発破をかけたりしていた。
でも、果たして、そうなのだろうか?
最近は、考えが変わりつつある。
自分にはこれしかないと自
潜む声に耳を澄ませる
「自分探し」と「自分を知る」は、似ているようで違う。
自分探しとは、本当の自分を探しにいくことだ。どこかに「本当」があって、それを見つけると、ずっと安定した状態になれる。
そんな本当を思い求めて、ここではないどこかを追い求めるのが、自分探しだ。そんな場所も、本当の自分も存在しない。青い鳥を求める行為だと、40歳に近づいた頃にやっと気づいた。
そこで、以前のnoteにも書いたが、40歳を超えて