佐渡島庸平(コルク代表)
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目に見えない傷の痛みは激しい
ある人から、僕は、マネージメントよりもリーダーシップについて学んだ方がいい、とアドバイスをされた。
マネージメント能力があがると、リーダーシップもついてくるものだという雑な認識しかしてなかったので、それ以来、リーダーシップについて考えるようになった。
僕が尊敬するリーダーといえば、ネルソン・マンデラで、先週末は『信念に生きる−ネルソン・マンデラの行動哲学』という本を読んでいた。
マン
谷口ジローさんとの思い出
谷口ジローの『父の暦』は、父の葬式をきっかけに郷里に戻った主人公が、父の過去に何があったかを知っていく物語だ。
2月11日、谷口ジローさんが逝去された。
担当していた作家さんが亡くなるのは、僕にとって初めての経験だ。今週は、『父の暦』を読みかえしながら、谷口さんとのことを思い出していた。
編集者になる前から大好きだった作家ベスト3は、井上雄彦、岩明均、谷口ジローだった。「『坊ちゃん』
「強い者も弱い者もいないのだ」『沈黙』の主人公は誰なのか?
(『沈黙』についてのネタバレあります)
南アフリカに住んでいた中学生の頃の僕の妄想は、女の子のことではなく、もっぱら強盗に襲われた時のことだった。
日本人学校の国語の先生も父親の毎日の送り迎えをする運転手も殺されてしまったし、学校の友人も前の晩に家を銃をもった強盗に囲まれた経験を持っていた。夜中の赤信号で車は止まってはいけなかったし、家の中は赤外線がはってあって、朝になるまで自分の部屋
終わりは、始まりよりも難しい
いつ、どこで読んだかが思い出せない。ネットで検索したけど、見つからなかったのだが、高校生の頃に、フロイトが「自分は突然死は望まない。癌になって、緩やかに弱っていき、死や痛みなどを見つめたい」というようなことを言っていたというのを読んだ。高校生の僕は、いたくその考え方に共感した。そして、今もその想いは、変わっていない。僕は「知りたい」という要求を強く持っていて、それは正だけなく、負の感情にも当ては
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