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自分に自信を持つために、考えるべき問い

ぼくは他人から「自信があるように見える」とよく言われる。「どうやったら、そんな風に振る舞えるのか?」と聞かれることも。

「自分ならできる!きっと成功する!」といった具合に、自分を信じているわけでもない。成功すると信じれている状態が、自信がある状態だとするならば、なぜ周りからは自信があると思われるのか。

以前に投稿した『人生の推進力は、勇気ではなく、わかったつもり』というnoteにも書いたが、根拠なき自信は何かに挑戦する際の原動力になる。わかったつもりになって、自信満々に踏み出してみて、実は自分はわかっていなかったことに気づく。そこから学び、人は成長していく。

ぼくには、「根拠なき自信」みたいなものがあるのだろうか。だとしたら、それはどんなものなのか。

先日、石川善樹と「自信」について雑談をしていたのだが、善樹の指摘でハッとするものがあった。自分に自信があるように見える人とは、他者から「自分を認めてほしい」という欲がない人ではないかという指摘だ。

自信がないように見える人は、他者といると緊張している。なぜ緊張が生まれるかというと、「相手から評価されなかったら、どうしよう」という不安を感じているからであり、その不安を少しでも払拭するために事前準備を重ねる。

一方、他者から「認めてほしい」と思っていない人には、緊張は生まれにくい。だから、堂々としているように他者には見える。それが、自信があるように見えているのではないかと。

ぼくも他者から、認めてもらいたい、という欲望はある。でも、それを会話で実現したいという思いがない。将来、結果を見てもらって、評価してもらい。同期しながら、評価してほしくはない。非同期な状態で評価してほしい。

ぼく自身ですら自分のことを理解しきれていないので、会話を通じて他人から評価できるわけがないと思っている。他人から評価されたとしても、それは自分の一面を相手が都合よく切り取っての評価だと感じる。

そもそも、自信という言葉は「自分を信じる」と書く。そして、信じるという言葉には「信用」と「信頼」のふたつの概念がある。

信頼と信用は似た言葉だが意味は違う。信用とは、何かしらの実績によって積み上げられり、場合によっては下がっていく。一方、信頼とは、結果がでなかったり、仮に失敗したとしても、損なわれたりしない。常に、そこに存在していて、何かによって揺らぐものではない。

他人から認めてもらいたいと思っている人は、「信用」の概念で自信を捉えているのではないか。

これまでの自分を振り返り、「このままだと、認められたい相手から評価されるか不安だ」と感じると、自信が失われていく。自信を持つには、実績を積み上げていくしかない。

一方、「信頼」の概念で自信を捉えるとどうか。

以前、『人を育てるとは、期待しないこと』というnoteにも書いたが、信頼とは期待を手放すことだ。結果を求めてもダメだし、焦ってもダメだし、怒ってもダメ。とにかく自分を信頼して行動する。そうすることで、「根拠なき自信」が生まれる。

根拠なき自信にとって大切なのは、何かしら行動したら、振り返りを正しく行い、自分を更新していくことだ。この学びのサイクルがないと、単なる猪突猛進の過信に陥ってしまう。

また、他人からの評価に全く耳をかさないわけでもない。他人からの評価も、ひとつの客観的な事実と受け止め、振り返りを行い、自分を更新していく。自分を信頼するとは、唯我独尊になることではない。

ぼくが思うに、「どうやったら自信が持てるようになりますか」と悩む人の多くは、信用の概念の拡張で自信を捉えているように感じる。それだと、強烈な成功体験がない限りは、いつまで経っても自分に自信を持つことはできない。

それに成功体験とは時間とともに廃れていくものだ。自分に自信を持つために、成功し続けないといけない人生とは息苦しいものだろう。

もちろん、自分を信頼することも簡単ではない。自分に期待してしまったり、他人からの評価に心が揺らぎそうになることもある。

でも、信用を積み重ねていく人生よりも、「どうやったら自分を信頼できるようになるか」という問いについて深く考えていく人生のほうが、よっぽど豊かなんじゃないかと思う。


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佐渡島庸平(コルク代表)

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