アイデアを生みだす組織に必要な土台
どうやったら、いいアイデアを生み出し続ける組織になるか。会社を経営するうえで、常に考え続けている「問い」だ。
先日、知り合いの経営者からこんな話を聞いた。いいアイデアを企画する社員の特徴を調べてみたところ、産休や育休から復帰したばかりの人たちから、いいアイデアが生まれている傾向が判明したそうだ。
産休や育休によって、新しい環境に身を置いたことで、視点が変わる。それによってアイデアが生まれるのだろう。色々と試行錯誤をしながら実行している人事施策や研修より、会社と全く関係のないプライベートの出来事のほうが、仕事に大きな影響を与えるのだから面白い。
その話を聞き、社員のプライベートの変化を起こりやすくすることも、いいアイデアを生み出し続ける組織に必要な視点かもしれないと感じた。
育児や介護といったライフステージにあわせた変化もそうだし、地方移住もそう。社員が「こういう変化を起こしたい」と考えたときに、会社としてその変化を受けれて、むしろ応援できるか。
思えば、コルクでもフルリモートの体制になってから、環境をガラッと変えるメンバーが増えた。ぼく自身が福岡と東京の二拠点生活に変えたけど、メンバーにおいても地方移住が増えている。一緒にやっているマンガ家たちも同様だ。
そして、そうしたプライベートの変化から、どんなことを感じたのかをメンバー間で共有していくことが、自分の視野を広げるために重要なのだろう。
コルクでは「さらけだす」を行動指針のひとつにしている。『ジョハリの窓から、「さらけだす」を再考』というnoteに詳しく書いたが、価値観の違うもの同士が協力しあい、居心地のいい場所を築くためには、お互いの前提となるものをさらけだしていくしかない。
この前提として、「どこまでさらけだすのがいいか」という議論になることが社内でもあるのだが、プライベートの領域にまで含めて考えていったほうがいい。むしろ、そこに新しい視点を得る鍵がありそうだ。
プライベートの領域の話を自然にさらけ出せるような心理的安全性をどうつくるか。プライベートでの気づきを気軽に共有できるような雑談の場をどうつくるか。
組織をクリエイティブにするには、プライベートもさらけだしあえている環境が大事だ。
仕事とは無縁に見えるこうした部分が、実は組織として仕事で成果を出す土台になる。
<お知らせ> 福岡で、リアルに編集について考える場を、期間限定で開きます。興味がある人は、ぜひ参加してください。
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コルク佐渡島の『好きのおすそわけ』
『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』などのマンガ・小説の編集者でありながら、ベンチャー起業の経営者でもあり、3人の息子の父親でもあるコルク代表・佐渡…
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