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職業×テーマ×世界観。 夢の解像度の上げ方

「将来なりたい自分になるため、目標、夢を持とう。」

「いや、夢なんか持たなくてもいい。いろんなことにチャレンジしている間に見つかるんだ」

夢を探すために努力した方がいいのか、しなくていいのか。

世間では、真逆の主張が、どちらも説得力を持って語られているから、どうすればいいのか、困っている人が多いだろう。

この夢問題、夢という言葉の解像度が低いことが問題なのだと、この前コルクラボマンガ専科で山田ズーニーさんのワークショップを受けて再理解した。

夢=職業 × テーマ × 達成したい世界観

と捉えると、夢の解像度が高くなる。

なりたい職業になったのに、やっぱり違ったと転職する人がたくさんいる。マンガ家という憧れの職業でもそうだ。マンガ家になったのに、しっくりこない。憧れの職業につけたのに、満足できない自分が悪いのだろうか?自己否定のサイクルに入り、精神的に辛くなる人も多い。

マンガ家という職業がゴールではない。ヒットもゴールではない。「なりたい自分」になることがゴールだ。その「なりたい自分」の解像度が低いから、次の一歩が踏み出せず、苦しくなる。

コルクが、目指しているのは、ビジネス的な成功だけではない。創作を通じて、作家が自分の作家人生を充実したものと感じられるよう心身ともにサポートしていくことだ。

現在、僕らは、マンガ家の育成をする『コルクラボマンガ専科』を行なっているが、そこで教えるのはマンガの技術だけではない。

「自分がどういう作家になりたいか?」

この問いに対する解像度を高めるためのカリキュラムを、山田ズーニーさんが担当してくれている。自分の描きたいことが明確だと、技術が足りなくても、読者は楽しんでくれる。自分の技術が低いのも悔しくなって、習得も早い。自分がどうなりたいのかを知ることが、マンガ家になるためにもっとも大事だったりする。

僕自身を例にして考えみよう。

職業 × テーマ × 達成したい世界観

僕は編集者になりたかった。それで講談社に入ってモーニングに配属された。もしも、テーマが「マンガ」ではなく「経済」「ファッション」「ゴシップ」「医療」「アウトドア」だったらどうだろう?

僕はフィクションに興味があった。偶然、配属で僕が目指したいテーマと一致したから僕は仕事に没頭することができた。

次に「達成したい世界観」だ。モーニングでは、世界観が初代編集長に明確に提示されていた。「読むと元気になる」だ。「ドラゴン桜」も「宇宙兄弟」も企画を立てる時に、読むと元気になってもらうことはすごく意識した。だから実際、読者の感想でも、作品を読んで挑戦する勇気が湧きましたというのが多い。

職業、テーマ、達成したい世界観。3つすべてを叶えるのは難しい。達成したい世界観を優先して、他の2つを変更すると、しっくりくる居場所が見つかる可能性もある。しなやかに「なりたい自分」ににじり寄っていける。

この3つを意識することは、自分に未来について考えるだけでなく、「キャラクター」や「企画」を考えるにも役立つ。

例えば、医療マンガを描きたいと考えたとする。

テーマは、1人でも多く助かる命を救う「救命救急」、尊厳を持って最期まで生きる社会を目指す「終末医療」、「大学病院」「町医者」「看護師」「薬剤師」など色々ありえる。

達成したい世界観も、「自分の生を大切に思う」「医療従事者を尊敬する」「医者になりたいと思う」と様々なものが想定できる。ここが一致していると、描いていて楽しむことができる。

自分はどんな世界観を達成したいのか?

世界観への解像度が上がっていくと、「夢がない」という状態を脱することができる。

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佐渡島庸平(コルク代表)

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コメント (1)
手のかかる子は、親じゃなきゃ出来ないことは何か、を教えてくれる存在
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