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人生を豊かにする「新しい自分」との出会い

最近、以前にも増して、仕事が楽しい。

なぜ、楽しいのだろう? 何が変わったのだろう?

「自分を規定することをやめた」からかもしれない。編集者だったらこうす「べき」、社長だったら、父親だったら。たくさんのところにある自分なりの「べき」に一度気づき、それを意識してなくしてみた。

そして、「苦手」に対する概念も変えた。「苦手」は、自分に向いていないものだと考えていた。でも、やった回数が少ないことを苦手と思ってしまうのだと考えるようにした。

その思考の変化の過程で、『シンプルなものだけが生き残っている』というnoteを書いた。挑戦をしても、ほとんどの人が出来ないほど困難なものであれば、そのジャンルは滅びてしまう。長期的に続いているという事実は、それ自体が「簡単」であることの証明になっている。

全てのものごとは簡単と捉え、苦手意識を失くし、10回くらいやってみる。そうすると、できなかったことができるようになり、新しい自分と出会える。そうやって、人生は豊かになっていく。

僕が日々、楽しいのは、この年になって自分の意外な側面に気付くからかもしれない。新しい自分との出会い。

年始から継続している絵を描くことも、そのひとつ。

今でも、上手い人の絵を見ると自分の下手さを痛感することばかりだが、苦手という意識はなくなった。なかなか上達しなくて悩んだりもするが、絵を学ぶことが楽しい気持ちが強くなってきている。

編集者、絵が描けないから、作家に自由に言える。言葉で勝負する「べき」という思いを捨て、絵は簡単なのだと思って初めてみた。

この習慣は、編集者として、マンガ家と打ち合わせをする時に、すごくプラスになった。そこで、物語作りに関係しそうな、もう一つ、僕が最もやりそうになかったことを始めてみることにした。

演劇だ。

観るのは好きだが、演じることは全く興味がなかった。大きな声を出すのも好きじゃないし、身振り手振りで体を動かすのも、なんか恥ずかしい。

でも、マンガにおいて、感情表現は欠かせない。マンガ家は登場人物に演技指導を行う必要がある。その演技指導が拙いと、読者は作品の世界に没入できない。僕自身が実際に演劇をやってみて、身を以て演技とは何かを学んでみようと思った。

そして、来月、役者として出ることが決まった。

カフェマメヒコの井川さんが主催するもので、8月1日・2日の夜の2回公演。タイトルは「チキン」。場所は銀座。もし興味がある人がいれば、こちらからチケットを予約できる。

僕は井川さんが主催する劇を何度も観ている。井川さんの舞台はステージ前方の役者が見える位置にセリフが表示される。このスタイルなら、セリフを丸暗記しなくてもステージに立てる。練習もほとんどいらないと思って、「僕も芝居やりますよ。脚本書いてくださいよー」と井川さんに軽口を叩いたのがはじまりだ。

正直、考えが甘かった。本番に向けて稽古をしているのだが、かなり本格的。僕は、こんなに練習をするのかと思ったけど、井川さんは、これでも全然足りないという。

新しいことを始めると新鮮な気づきが多い。僕は仕事をしていて、褒められたいという気持ちにならない。自分の仕事ぶりを褒めれる人なんてほとんどいないと思うからだ。しかし、演技のようなほとんどできないことだと、ちょっとの成長を褒められると嬉しい。それで、もう少しこう工夫してみようかなと試したりするのが面白い。

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あまりにも発声が悪くて、丹田に力を入れて話す感覚を理解するために、壁をおして話している。

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実際の僕がどうかはさておき、恋人の気持ちに全く寄り添わずに正論を言う「男」と言う役柄を井川さんに割り振られている。

井川さんのオリジナル脚本は、すごくいい感じになってきている。脚本へのダメ出しが一丁前なのに、自分への演技が甘々なのはどういうことだと井川さんに言われているが、どんな感じになるのか楽しみだ。

僕自身のこのような変化には、ホリエモンの影響も大きいと思う。

堀江さんは、クリスマスにミュージカルをやったりと、どんどん新しいことを始めている。苦手なことに毎年一つ挑戦すると公言もしている。

僕も「べき」をなくして、すべてのことを簡単だと思って、経験を積んでみようと思う。人から笑われるようなことをどんどん始めるくらいがちょうどいい。

新しい自分と出会うのがうまくなると、友人の中にある新しい友人に出会うのもうまくなるかもしれない。

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