佐渡島庸平(コルク代表)
相手に対して"こだわりが足りない"と思ったら
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相手に対して"こだわりが足りない"と思ったら

佐渡島庸平(コルク代表)

ぼくの知人で、ものすごく気遣いができる人がいる。

あまりにも気遣いが素晴らしいので、「世の中で他に気遣いが上手い人は誰だと思いますか?」と聞いたら、少し返答に悩んだ後、「正直、思いつかないです。みんな、雑ですからね」と返された。

なるほどと感じる反面、「みんな、雑」なんてことは本当にありえるのかとも思い、そこから考えが巡りはじめた。

例えば、職場でも夫婦間でも、「あなたは〇〇が雑」というようなことを言ったり、言われたりすることがある。それは言い換えると、「自分と比べて、あなたはこだわりや繊細さが足りない」という主張だ。

自分はこんなにこだわっているのに、あなたはこだわっていない。これほど重要なところなのに、なぜこだわらないのか。繊細さが足りていないんじゃないのか。そうした意識が、「あなたは〇〇が雑」の裏側にある。

自分が繊細に扱うことのできるポイントは、自分にとって解像度が高く見えるポイントであり、それは自分の「上位資質」とも言える。

この上位資質とは、ストレングスファインダーで使われている言葉で、使おうと意識しなくても、無意識のうちに勝手に発動している資質のことだ。人が自分の強みに気がつくのが難しいのは、無意識に使っているからだ。

そして、ストレングスファインダーをやっていくと、上位資質には様々な種類があり、人によって大きく異なっていることがわかる。

相手が雑に見えたのなら、それは単に上位資質が異なっているだけなのだ。

逆に、「この人はこだわりが深い」「ものすごく繊細だ」と感じる相手がいたら、それは自分と上位資質が近いということだろう。そして、自分と似た方向性の中で、自分より優れたスキルや経験があることを感じて、そういう風に思うのではないだろうか。

クリエイターと接していると、「あのクリエイターはこだわりがすごい」とか、「あの編集者は、自分の作品のこだわりを理解していない」といった声を耳にすることがある。

でも、それは単に自分の上位資質の物差しの中で、そう思っているだけだ。

ストレングスファインダーにおける重要な考えのひとつは、どんな人にも上位資質があるのと同様に、どんな人にも「下位資質」があるということだ。

下位資質とは、無理に使おうとすると、自分自身が激しく消耗してしまう資質のこと。だから、無意識のうちにこの資質を使うことを避けてしまう。その資質のもつ強みを発揮することが必要なら、上位資質としてもっている人の手を借りたほうがいい。

どんな人にも上位資質と下位資質がある。全てにおいて繊細で、こだわりが強いなんていう人は存在しない。

だから、相手に対して「なんだか雑だな」とか「こだわりが足りないな」と思ってしまったら、一度立ち止まって、相手と自分の違いをしっかりと観察してみる必要がある。

ぼく自身、そうした発言を打ち合わせで言ってしまうことがあるので、自戒の意味も込めて書いてみた。『観察力の鍛え方』の本でも、判断保留の態度が重要だと言ってきたが、その大切さを改めて感じる。


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