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「向き合う」は大げさなことではない。ケンカで学んだ人との向き合い方

息子が3人になり、一番大変なことは、ケンカだ。

3人とともに休日を過ごすと、とにかく疲れる。工事中の部屋に住んでいるような気分だ。工事であれば、耳を塞いでなんとか耐えてやりすごすということも可能だけども、子供だと巻き込まれるから、そうもいかない。ケンカの仲裁にはいったはずが、僕が悪いことになり、一平も二平も三平も僕を殴りだす、なんてことが、しれっと起きる。

僕自身はというと弟と妹がいる3人兄弟だった。僕が大学へいくために東京へ行くまでずっと、弟とのケンカは続いた。真ん中の弟は妹ともケンカをしていて、僕と妹はケンカをしなかった。男3人ではない分、我が家よりはマシだった思うのだが、本当によくケンカをしていた。

『宇宙兄弟』の作者の小山さんは、一人っ子だから、兄弟ゲンカがどんな原因で起きるのか、僕の実例を打ち合わせで話したりしていた。ムッタが横を通った時にヒビトが舌打ちした、そんな理由で殴り合いになるシーンがあるが、まさに僕が高校時代に経験したことだ。

何にそんなにイライラしていたのだろう? 小学生の頃は、車に一緒に乗ると、誰が真ん中でどのように座るかで大ケンカしていた。

両親がそのような状況を許容していてくれたことに、今となっては、ただただ感謝だ。そして、毎日、息子たちのケンカに付き合っている妻にも、感謝だ。 

仕事のトラブルの方が、僕にとってはずっとマシだ。ここから10年以上、我が家でこのような状態が続くのかと思うと、少々げんなりする。子育ては、楽しいのだけど、ケンカをそばでみているのは、なんとも落ち着かない。

では、ケンカをしないように工夫をしたほうがいいのか? というと、それも良くない気がする。ケンカをするだけのエネルギーがないのも、息子としては不安だ。現状に納得して、大人しく従うような人にはなって欲しくないけど、今、この瞬間は、都合のいい子になってくれることを望んでしまっている。

ケンカをするということは、しっかり自分がどうしたいか、自己主張がある結果だ。ケンカをしないでほしいというのは、親にとって都合のいい考え方すぎるかもしれない。

妻とどうやったらケンカが減るのかを話し合った。妻の実家は、館山にあるのだが、館山に行って、自然の中で遊んでいる日々は、ほとんど兄弟ゲンカが起きないという。

その話を聞いて、ケンカが起きるのは、仕方ないこととする僕の考えは揺らぎ始めた。ケンカは、人間の動物的なぶつかり合いの証だと思っていた。しかし、田舎だと減るのであれば、パーソナルスペースを犯しあっていることへのストレスがケンカの原因かもしれない。そのようなストレスはない方がいい。いや、社会に出て都会で仕事をすると、結局はパーソナルスペースを犯し合うような環境で仕事をするのだから、そのことへの耐性をつけておいた方がいいのかもしれない。

ケンカをすることは、いいことなのか、悪いことなのか。

きっと、程度によるという答えが返ってくるのだろうけど、子供にとっての兄弟ゲンカは、どれぐらいが健全なのだろう?

グーグル先生なら、子供のケンカの良し悪しについてわかるだろうかと検索をしてみた。喧嘩と漢字で検索すると、漫画の『喧嘩商売』がでてくるけど、ケンカなら色々でてくる。夫婦も友達も、みんないつになってもずっとケンカしてる。

あれやこれや悩んでいたけど、ケンカは人生につきもの。早めにたくさんして仲直りの仕方をたくさん知っておく方がいいと思うように心が決まった。ケンカが起きないように工夫するのではなく、どのように仲直りの仕方で工夫しよう。

早速、仲直りでグーグル先生に頼ってみると……。どうだったかは、自分でググってみてください。ちょうど子供のケンカがまた始まったので、僕はそちらへ(笑)

(エッセイ・2017年10月執筆 / トップ画像イラスト:秋野ひろ

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上の文章は、以前に「ベビモフ」というWebメディアで、僕が連載していた子育てに関するコラムを転載したものだ。当時は、子育てをしていて感じる自分の思いや感情を忘れないために書いていた。

連載自体は終了したのだけど、コルクラボのメンバーから、僕が子育てについてどのように考えているかを知りたいとリクエストをよく貰う。そこで、無料部分では過去の分を転載して、最近の子育てについては有料部分でインタビュー形式で書き起こすことにした。

今回のテーマは、「兄弟喧嘩から学んだ人との向き合い方」です。

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佐渡島庸平(コルク代表)

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コルク代表・佐渡島のnoteアカウントです。noteマガジン『コルク佐渡島の好きのおすそ分け』、noteサークル『コルク佐渡島の文学を語ろう』をやってます。編集者・経営者として感じる日々の気づきや、文学作品の味わい方などを記事にしています。