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【マンガ専科本先出しnote】マンガ家の成長と専科の目指すところ

コルクラボマンガ専科は、これから多くの人に読んでもらえるようなマンガを描けるようになりたい人に向けた講座です。もっと言うと、自分のマンガに対して課題を感じていない人や、すでに自身のオリジナリティを確立している人には不要の講座ともいえます。

「マンガを描き始めたいけれど、何をしていいかわからない」「伝わる作品が描けない」「たくさんの人に読んでもらうことができない」、そんな人にマンガ家としての基礎を教えるのが本専科の目的です。

今回は、講座のイントロダクションとして「マンガ家の成長」をお伝えするとともに、「マンガ専科を受けることで、成長段階のどこにまで達することができるのか」をお伝えします。

◆マンガ家の成長とは?

いきなりマンガを描き始めて、「うまく描けない」「イメージと違う」などすぐに壁にぶつかってしまった人もいるでしょう。それは、マンガを描く基礎ができていないことに起因します。

学校で学んだ、算数・数学を思い出してください。基本的な計算の公式を学んだ後に、抽象的な二次方程式などを学習し、そして虚数といった抽象度が高い数学に向かいます。算数・数学であれば、積み上げが大切ということを理解しているのに、マンガの場合には基礎が大切ということを見落としていることが多いのです。

僕が編集者として接していく中で、マンガ初心者がいきなり個性的で創作性あふれるものを描こうとして失敗してしまうということがあまりにも多いと感じていました。
それは、算数・数学でいうと、足し算引き算を理解していないのに「虚数レベル」にいきなりチャレンジしているのと同意義です。マンガにおいても、まずは基礎的なスキルを身につける必要があるのです。

残念ながら、これまで出されている多くの創作にまつわる書籍は、まさに「虚数レベル」の話をしています。読後に、「かっこいい!」「僕もこんな作品が描きたい!」と思っても、基礎が身についていないのでできるようにはなりません。僕は、ずっとこの点に課題を感じていたのです。

◆マンガ専科で目指すこと

一流のマンガ家を目指す人たちに、「マンガにおける基礎力をつけたい」という思いから、僕は「コルクラボマンガ専科」を開講することにしました。そして、その専科のテキストになるのが、このnoteで掲載した内容です。

マンガ家になるにはいくつかのステップがありますが、マンガ専科では図の左下のグリーンのアミカケ部分まで成長することを目指します。

【図】マンガ家の成長

マンガ家の成長


縦軸が、【創造・感情】と【模倣・情報】。これはどういうことかというと、まずは模倣して、情報や出来事を正確に描くことからスタートし、その後、感情を描けるようになり創造性が高まっていくのだというマンガ家の成長軸を示しています。

横軸は、【曖昧】と【絶対】。コンセプトが【曖昧】な状態からスキルを高めていくと、具体的な【絶対】を描けるようになっていきます。

改めて、マンガ専科で目指すことは、基本的なスキルを習得し、感情の型を得てマンガを描けるようにしていくことです。つまり、マンガ家の成長の図でいうと第4象限から第3象限の状態にもっていくことが目標なのです。
そうなれば、エッセイマンガや広告マンガを描けるようになります。マンガ専科で学ぶことで、こうしたコンセプトが明確なマンガを描けるようになっていきます。

◆基礎をつけてこそ個性的・創作的なマンガを描ける

感情を描き切るということこそ創造性であり、作家のオリジナリティになります。数学でいう「虚数」のレベルにたどり着くには、まずは情報を過不足なく伝えられるようになる練習をすることが重要です。情報を過不足なく伝えられるようになれば、次に感情を過不足なく伝えられるようになっていきます。

ちなみに、第1象限のアートと第2象限エンタメは難易度の種類が違います。そのため、この二者に優劣はありません。エンタメでもアートでも、感情をどう動かすかが重要というところは共通です。

マンガ専科では、理解して覚えやすいように、マンガを定義し、要素分解をしていきます。
しかし、最終的には作家ごとにマンガの定義は異なってくるものだとも思っています。守破離でいえば、「守」の段階をマンガ専科では目指し、その後、作家活動を通じて「破」や「離」につながっていく。そもそもの「守」がない状態で、マンガを描いても荒唐無稽なものにしかなりません。

その作家ならではの定義が、個性となり、読者を魅了するものとなります。いずれ自身もそのようになるのだと認識はしながら、スタート時点の今は基礎を学んでいきましょう。
もしかしたら、「基礎基本の徹底」などというと、小学生の頃のドリル学習を思い出し、マンガへの学びがおもしろくないのではないかと感じてしまうかもしれません。

しかし、これまでのマンガ専科の受講生の様子を見ていると全くそんなことはない。マンガを描き、きちんと読者に伝わり、1万RTとなれば楽しくないわけがありませんよね。

マンガ専科では、マンガの描き方のインプットをしながら、アウトプットもしていきます。基礎を習得するためにはアウトプットも確実に必要だからです。講座のメンバーやtwitterのむこうの読者の反応を見ながら、自分の進化を実感していけることが特徴です。マンガ家の成長の図を眺め、「自分が今どこにいるのか」を確めながら、歩んでいってほしいと考えています。


<書き手=佐藤 智 、バナー制作=いずいず


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