
【ヒットを生み出すぞ! #02】 コッペくん (やじまけんじ著)
SNS時代の新しいマンガ家を目指し、僕と一緒にやっている新人マンガ家達の作品を紹介する『ヒットを生み出すぞ!』シリーズの第二回。
★第一回はコチラ。
今回紹介する作品は、以前に『伝えるために、「頭の中にある世界」の解像度を上げろ』という記事でも紹介した、やじまけんじさんが現在制作中の『コッペくん』だ。
「そうか、これから生まれるんだ」
— やじま けんじ (@yajima_kenji) March 12, 2019
と名前をつける理由がわかったので、改めて名前をつけることにしました。
「コッぺくん」 です。
名前の意味は、色々想像してみたください。なんか、コッペパンに似てるよね。変わったばっかりの時は違和感あると思うけど、
これからもよろしくお願いします! pic.twitter.com/khoVW9pYvQ
元号をまたぎしもの。#平成最後の日 pic.twitter.com/bOOefDsRmh
— やじま けんじ (@yajima_kenji) April 30, 2019
やじまさんとは、今年の頭から、コッペくんを主人公にした連載マンガを作るために打ち合わせを始めた。
物語の世界への解像度を高めるために、コッペくんが住んでいる街の全体像や、コッペくんが暮らす場所、コッペくんを取り巻くキャラクターなど、やじまさんと何度も何度も作品について話し合いを重ねてきた。その都度ネームも描いてもらい、第1話のネームは既に20稿は超えている。
その繰り返しの末に、ついに第1話の形が見えてきた。
そこで、創作の試行錯誤の軌跡を、僕のマガジンを購読している方にだけ公開する。
作品の出来上がる過程は、すごく繊細だ。ネットで無料で公開してたくさんの人の意見をもらって、書き直していくなんてことはできない。どんなものでも楽しんで、応援してくれる暖かい目に見守られていないといけない。
漫画家や編集者になることを目指している人には、すごく参考になると思う。
作品は、修正を繰り返しても、繰り返しても、なかなか変わらない。でも、ある日突然、同じ内容なのに、面白さが全く違うものがあがってくる。ここまでくると、あと一歩だ。
以前のnote記事『伝えるために、「頭の中にある世界」の解像度を上げろ』の有料部分に、コッペくんのネームを公開したが、それと合わせて読むと、作品の進化の過程がより理解できると思う。
『コッペくん』の最新版のネームをどうぞ!
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いかがだっただろうか?
以前は、やじまさんの頭の中に、それぞれのキャラクターがしっかりと詰まっているにも関わらず、それが表現に落ちず、なかなかキャラが立たない状態が続いていた。
そこでコマの見せ方を変え、各キャラクターの個性をテンポよく伝える表現に変えたところ、各キャラクターが立ってきた。同時に、各キャラクターとコッペくんとの関係も見えてきて、コッペくんのキャラクターもわかりやすくなったように思う。
ちなみに、コマの見せ方を変える前のネームがコチラ。
全く受け取る印象が違うのではないだろうか。キャラクターを表すエピソードの説明の尺が長すぎて、ちょっとしたことを延々と話すのを聞くみたな感じになってしまっている。ネタは、適切な長さで語られて、初めて面白くなる。
何にどれくらいの説明を話が面白くなるを考えた結果、最新のネームの見せ方へと変わっていった。
キャラの理解を深めるために、LINEスタンプの制作も行ってみたりしていた。