
読むための本? 持つための本?
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『コルクインディーズ』の裏側を伝えていく連載。4回目となる今回は、「本のあり方」について話をしたい。
コルクインディーズでは、コルク自ら出版をする時もある。現在は、コルクインディーズを応援してくれている一部書店と、コルクインディーズのECサイトで購入できる。
第1弾は、やじまけんじの『コッペくんとしんぱいいぬ』と月本千景の『つきのもと』だ。
『コッペくん』の価格は2000円。高いのには理由がある。
表紙のコッペくんを触るとフワフワしていて、クマの毛みたいになっているのだ。『つきのもと』も作品のテイストにあわせた凝りかたで1000円する。
装丁に凝っているとはいえ、新人のやじま君のはじめての単行本で、いきなり2,000円の価格設定は強気だと思うかもしれない。出版の常識ならば、絶対にこのような本は作らない。
僕も、一般的に流通しているマンガの単行本に近い600〜800円くらいの価格で売り出したほうがいいんじゃないかと悩んだ。
でも、それは僕が今までの常識に縛られているだけで、こだわることを優先して2000円の本にした。『コッペくん』の電子版は、紙本と同じデザインだと魅力が伝わらないので、違うデザインにした。
なぜ、そう決断をしたのか。その理由は……
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コルク代表・佐渡島のnoteアカウントです。noteマガジン『コルク佐渡島の好きのおすそ分け』、noteサークル『コルク佐渡島の文学を語ろう』をやってます。編集者・経営者として感じる日々の気づきや、文学作品の味わい方などを記事にしています。