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心の知能指数「EQ」が高い人は何が違う?

心の知能指数と言われる「EQ」というものがある。

EQとは他人の感情を感じ取る能力と、自分の感情をうまくコントロールし利用する能力とされている。ビジネスにおいて、他者と良好な関係を気づき、感情に翻弄されず、適切な判断や行動をとれる人材かどうかをEQで測れるらしい。

ぼく自身の話をすると、創作においても、人生においても、感情への理解を深めることが大切と思っていて、その延長でEQにも関心を持っていた。でも、同時に聖人君子を目指す訳でもないから、EQが高いほうがいいのかと懐疑的でもあった。

たまたま、3年ほど前にEQのコーチングをしている人と知り合いになり、EQスコアを測って、コーチングを受けてみることになった。そこそこ高いだろうと思っていたのだけど、結果は予想と比べるとずいぶんと低かった。

石川善樹とマンガ家の羽賀君と一緒に『感情は、すぐに脳をジャックする』という本を作ってるくらいだから、他の人よりも知識はあると思っていたが、それをうまく使えていなかった。一年後に、流石にうまく使えるようになってるだろうと、EQテストを改めて受けてみた。すると、さらにスコアが下がっていた。内心、テストを信じていいものかと疑いたくもなった。

この1年間は、もうEQのことを忘れていて、特に意識も努力もしてなかった。ふと思いたって、また1年ぶりにEQテストを受けてみたら、スコアがものすごく上がっていた。それで、EQコーチングをしている知り合いと、何が変わったのかを話し合ったりしていた。

スコアが変動した仮説は色々あるが、この1年間で、ぼくの考えが大きく変わったことがある。それは、他者とコミュニケーションをするうえで、相手の感情に寄り添うことから始めることだ。

以前は、他者とコミュニケーションするうえで、自分の感情は揺るがないほうがいいのではないかと考えていた。相手が不安や動揺を感じている時に、自分もその感情に引っ張られてしまうと、相手の気持ちを落ち着かせることができない。自分の感情を常に安定させ、それが相手に伝播することで、感情に翻弄されない関係を築けるのではないか。

外部からの様々な刺激によって、感情のさざ波が立つことがあれど、心の内を客観的に見つめ、静かな海に戻すことができる。ぼくの考える、心のしなやかとは、こういう状態を意味してきた。

だけども、この考えでは、他者とのコミュニケーションが前に進まないことがある。それを特に実感したのが、次男との関係だ。

以前に投稿した『「学校どうだった?」と、子どもに聞いてはいけない理由』というnoteにも書いたが、以前から次男は不登校気味で、今年に入ってから「学校へ行きたくない」とまた言い始めた。

次男と学校について会話をするのだが、こちらが動じない感じで色々と質問をしてみても、相手は全く答えてくれない。答えてくれても、それは取り繕ったような一時しのぎの回答で、真意ではないことが伝わってくる。

そこで、考え方を変えてみた。まずは次男の感情に寄り添うことを心がける。「学校に行くのは、しんどいよね」「確かに、それは大変だったね」といった具合に、会話をしながら、お互いの感情を揃える。すると、次男が少しずつ話をしてくれるようになった。

まずは相手の感情に寄り添い、お互いの感情が揃ったところから、理想の感情の状態へと一緒に登っていく。次男とのやりとりを通じて、こうしたアプローチの大切さに自然と気づかされた。

また、Jリーグの理事をしていた佐伯夕利子さん本を読み、佐伯さんにコーチングを一年お願いした。


自分と他人との打ち合わせのZOOM動画を見ながら、自分の話し方とそれに他者がどう反応をするかを観察した。レコーディングダイエットのように、見るだけで、意識がそこに向かう。自分の話し方を何度も見るだけで、自分との対話が心の中だけでなくなり、話し方が変わったのかもしれない。

相手を観察し、リアクションを通じて、お互いの心を重ねる大切さは、2年前から通っている馬のリーダーシップ研修で学んだことでもある。この研修については、『どうやって、自分の存在感をなくすのか?』というnoteに詳しく書いた。こうした出来事からの気づきも、自分の考えを変える一端を担っていると思う。

EQでは感情の「共鳴」という言葉をよく使っていて、共鳴は感情の波長が一致したときに起こる。そして、EQの高いリーダーは、ごく自然にチームに共鳴を起こし、心に響くメッセージを送ることが出来ると言われている。

共鳴を大切にするEQの考え方では、確かに、以前のぼくの考え方ではフィットしないだろう。それ故に、低いスコアが出ていたのだと思う。

次男とのコミュニケーションを通じて、感情の共鳴という概念への理解はかなり深まったと感じる。

コルクの行動指針には「まきこむ」があるが、まきこむとは、共鳴することなのだろう。ぼく自身が、行動指針をまだまだ体現できてない。奥深い言葉を行動指針に選ぶことができたものだと思う。


今週も読んでくれて、ありがとう!この先の有料部分では「最近読んだ本などの感想」と「僕の日記」をシェア。日記には、どんな人と会い、どんな体験をし、そこで何を感じたかを書いています。子育てをするなかで感じた苦労や発見など、かなり個人的な話もあります。

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佐渡島庸平(コルク代表)

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