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贅沢とは何か?

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 『暇と退屈の倫理学』をコルクラボの読書会で読んだ。自分は思考する時の時間軸が長い方だと思っていたが、著者の國分功一郎さんには完敗だ。

 人類史で考えると、狩猟をしながらの移住生活が中心で、定住生活などごく最近のこと。定住生活を異常な状態と捉えて、暇と退屈を巡る思索が始まる。

 現代人は、どんどん忙しくなっている。暇はない。暇で退屈しているのならわかる。しかし、忙しいのに、退屈している。贅沢な時間がないからで、贅沢とは何か、と思索は続いていく。

 こやまこいこの『スキップするように生きていきたい』は、ストーリーではなく、日常の中にひっそりと潜む贅沢な時間を切り取った漫画だ。

 この「とうめい」について描いているところ。僕は、最高に贅沢な時間だと思う。僕らをどこにも連れて行かない。一見、無駄なように思える時間の数々。その泡のように消えてしまう時間を、こやまこいこは、うまく掬い取る。退屈している自分の人生の中にも、そういえばこんな風に輝く時間があるなと気づかせてくれる。読み終えると、贅沢な時間の見つけ方がうまくなる。『スキップするように生きていきたい』はそんな漫画で、一気に読むのではなく、開いたページから気ままに、ちょびちょび読み続けたくなる。

 連載は『レタスクラブ』スコープの2箇所で行っていた。レタスクラブは、誰もが知っている主婦向け雑誌。まさに、主人公のぴりこが、読んでそうな雑誌だ。

 スコープは、かなり魅力的な、知る人ぞ知る通販サイトだ。そこのオーナーの平井千里馬さんは、「これぞ贅沢な人生!」と呼びたくなる楽しそうな生き方をしていて、それがスコープを人気にしている。お金を派手に使っているわけではない。でも、人生にとって大切な無駄なことにすごくエネルギーを使って生きている。

 商品の撮影をするのに、立派なスタジオを借りるのではない。魅力的な家に1ヶ月泊まり込んで、そこに自分たちの商品を持ち込んで生活しながら、写真を撮っていったりするのだ。

 ぴりこの旦那、山椒しびれのモデルは、平井さんである。平井さんをモデルにすることで、『スキップするように生きていきたい』は、贅沢な漫画になった。

 スコープで買うと、てぬぐいがついてきて、かなりお得だ。こういうちょっとした贅沢を演出するのが、平井さんの憎いところだ。

 コルクの入り口には最近、コルクが関わった本が飾られている。『君たちはどう生きるか』のよこに『スキップするように生きていきたい』が並んでいるのは、アンサーソングのようで、なんともおかしい。


 こやまこいこのツイッターも、ほっこりさせてくれるエピソードが満載だ。

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佐渡島庸平/コルク代表

2002年に講談社に入社し、週刊モーニング編集部に所属。『バガボンド』(井上雄彦)、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)などの編集を担当する。2012年に講談社を退社し、作家のエージェント会社、コルクを設立。

週刊!編集者・佐渡島の『好きのおすそ分け』

コルク代表・佐渡島が、「コンテンツのDJ」として自分の好きを届けていくマガジンです!編集者や経営者としての日々の気づき、注目しているクリエーターや作品、影響を受けた話などを配信していきます。また、マガジン購読者限定の特別コンテンツとして、有料者限定記事、公開日記、製作途中の...
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