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ALSを治る病気にするために

 「昔、SF作家を目指していた人は、今の時代、プログラマーになった方がいい。思い描いた世界を実現できる時代になったのだから」川田十夢が僕にいった言葉で、僕は何度もこの言葉を思い出す。

 しかし、未来を作る専売特許は、プログラマーだけに与えられたものではない。Yahoo!の川邊さんが講演で、「未来は予測するものではなく、作るものだ」と起業家を鼓舞したが、僕はその言葉に素直に心踊った。

 編集者とは、作家が架空の世界を描くのを手伝う仕事だ。作家と一緒に本を作るだけなら、そう定義できる。僕が出版社にいる時にやったことは、全てその範疇に入っている。アニメ化や映画化も、架空の世界を描くことの後押しだ。

 コルクの仕事を説明する時に、いつも困る。適切な短い言葉がなかなかない。「エンタメとITを融合する」とか「作品を世界や後世に残るようにする」などなど。「作家と一緒に架空の世界を思い描き、それを現実にするのを手伝う」という説明はどうだろうか。

 「現実にするのを手伝う」というところが、コルクの新しさだと僕は自負している。そして、それをコルクのメンバーも意識し、実行するようになってきた。

 12月15日は、せりか基金の第1回目の授賞式だった。宇宙兄弟の作中では、ALSの薬の実験に成功する。それを本当に実現してしまおうと、二人の意欲的な研究者の方に、寄付をさせていただいた。「本気の失敗には価値がある」宇宙兄弟の中に出てくる名台詞だが、控え室で研究者の方に、好きに使って、できるだけ大胆な失敗をしてほしいと伝えた。

 多くのファンが今回の取り組みに賛同して寄付してくれたこと、一流の研究者が審査を手伝ってくださったこと、全てが後押しとなって、立ち上げ1年未満の基金が、しっかりと寄付をすることができた。来年以降は、活動をもっと大きくしていく。これを継続していけば、本当にALSをなくすことができる、そのような未来を『宇宙兄弟』がつくることができる、と確信した夜だった。

 作家が描く世界を、一緒に現実にする。作家と一緒だと、誰よりも楽しい、遊び心のある未来を僕らは作れると思ってる。

 僕のツイッターアカウントは@sadycorkです。せりか基金の代表・黒川のアカウントは@kirkuro。ぜひ、フォローをよろしくお願いします。

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