福岡への移住を、真剣に検討中!
いま、福岡への移住をかなり真剣に考えている。
ぼくが独り身であれば、すぐにでも実行するが、家族みんなが納得してから実行する。いまは、家族にぼくの考えを共有して、視察をするために福岡へ家族で行くところまで話は進んだ。
今度の視察で、家族みんなが気に入ってくれると、次は1、2週間くらい福岡で過ごして、リモートワークをしてみる。それで、問題がなければ移住を決行する段取りだ。まずは福岡市内に住み、ゆくゆくは糸島とか自然豊かな福岡郊外で暮らせたらと考えている。
この移住計画の話は興味を持たれることが多いので、ぼくの考えをnoteにまとめてみることにした。
まず、大前提にあるぼくの思考法として、ぼくは自分の意志を全く信用していない。
『ドラゴン桜』の桜木は、
「自分で自分を変えようなんて思うな!自分を変えたかったら、モノを使え!世の中にある最新テクノロジーや便利な仕組みに頼れ!」
と言い切る。ぼくは、この思考法に賛成している。自分を変えようと思った時に、意志や気合い頼みの計画では、疲労やイレギュラーにより頓挫する。自分を変えるためには、仕組みとセットで考え始める必要がある。
自分を変えるのに、環境を変えることが一番だ。
住む場所を変えるのが、一番、影響が大きい。当然、時間の使い方も人づきあいの仕方も変わってくる。暮らしの中で目にする風景や聞こえてくる音が変われば、世界を見る目も自然と変わる。どこに住むかは、どう生きるかに等しい。
そんなぼくが環境を変えたいと思った理由は、2つある。
ひとつは「オンラインのやり方」をもっと深めること。
コルクは、リモート中心の会社になると、方針を決めた。だから、オンラインのやり方を深めて、生産性をよりあげることに挑戦する。
ぼくはリアルの価値を否定しない。リモート中心だからこそ、リアルで会うのが漫然と行われるのではなく、設計されていき、コミュニケーションがより活発になる。オンラインを工夫した方が、リアルもよくなる。
よく言われるように、リモートを中心にすると、雑談が少なくなったりして、メンバーの関係性が希薄化する。また、スケジュールやタスクの管理がうまくできてないと、誰のフォローも入らず、生産性がかえって悪くなることもある。
どのツールを使い、どんなルールを決めるといいのか。オンラインのコミュニケーションは、まだまだ始まったばかりで、開拓の余地がある。あえて、不便を感じると、それを解決するために工夫できる。東京にいては「では、会って解決しようか」となる。そうではなく、オンラインだけで解決せざるを得ない環境に身を置く方がいいのではないか。
もちろん、リモートでのコミュニケーションが得意な人とそうでない人がいると思うので、当分は相手のスタイルに合わせていく。東京へのアクセスの良さというのも、福岡を選んだ理由のひとつだ。まずは、月の半分が東京で、もう半分が福岡というバランスからはじめ、徐々に東京にいる時間を減らしていけるといい。
もうひとつの理由は「思考の濾過」だ。
東京はせわしない。刺激の強さが魅力だけど、その刺激が強すぎる。街を歩くだけで、欲望を刺激する膨大な情報が飛び込んでくる。いかに人の目を引くかのアテンション獲得合戦が繰り広げられ、広告デバイスや表現手法のテクノロジー進化により、その刺激は年々強くなっている。
それは、コンテンツにおいても全く同様だ。
いま世の中の流行っているもののほとんどが、エログロなど刺激の強いものを前面に押し出し、読者の興味を引くものだ。ハラハラさせる状況に読者を追い込んで、続きを見たくさせる手法が蔓延している。
でも、刺激で釣るだけのコンテンツは消費されるだけで終わってしまう。刺激を摂取し、また違う刺激物へと読者はすぐに移ってしまう。何度も繰り返し読みたくなる作品にはなり得ないだろう。
どうやったら時代を生き抜くコンテンツを生みだすことができるのか?
新人マンガ家と一緒に作品を作っていると、刺激が強いものを作りたくなる。でも、これは東京に焦らされているだけではないか。
この夏、屋久島の縄文杉へ行った。
屋久島の森の中にいると、人の興味をひくだけの即物的なアイデアや表現など、ちっぽけなものに思えて恥ずかしくなってくる。きっと、ぼくらが死んだ後の時代の人たちも縄文杉に足を運び、ぼくらと同じようにその雄大さに驚かされ、得がたい何かを心に残すだろう。そこには、「普遍」を考えさせる力があった。
ぼくが企画する時に考えないといけないのは、「刺激」ではなく、「普遍」だ。
例えば、宝くじで1億円が当たったとして、その使い道を東京で考えるのと、屋久島で考えるのだと、全く違う発想が生まれるだろう。そして、後者の方が圧倒的に面白いアイデアが思い浮かぶと、ぼくは思う。
都会の刺激を知りながらも、自然に囲まれた環境で刺激を濾過し、普遍的な企画を大きく育てる。それが、今のぼくに必要なのだと直感的に感じて、福岡にした。
福岡は、糸島など、市内からすぐの場所に豊かな自然が多い。また、車で簡単に九州各地の自然豊かな土地へ出かけることができる。
加えて、移住先として福岡を選んだのは、中国や韓国に近いこともある。いま、コンテンツ産業の中心は中国・韓国に移りつつある。コロナが落ち着いたら、上海やソウルへの出張はこれまで以上に増えていくだろう。
時代を超えて、国を超えて、生き残るコンテンツを生むために、思い切って環境を変えてみる。それが、福岡移住をぼくが真剣に考える理由だ。
……と、ここまで書いてきたが、これはぼくの考えで、家族が福岡移住に賛同してくれるかはわからない。やっぱり東京に住むと決断する可能性も大いにある。まだ、ぼくが一人で思っているだけなので、確率はそこまで高くない。
これから福岡移住について一層真剣に考えていくので、アドバイスや福岡の魅力など、情報をもらえると嬉しい!!
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9月17日(木)
朝は、カヤックの取締役会のために鎌倉へ。
僕は今、歩きながらの打ち合わせにハマっている。この日は、10時から会議だったが8時に鎌倉に行き、2時間浜辺を歩きながら他の打ち合わせを行った。
元々歩きながら何か考えることが好きだったので、このスタイルがすごく自分にあっているなと思っている。世の中がもし、オンラインの打ち合わせはやっぱりマナーが悪い、といった流れに戻ると、地方移住も検討している僕には厳しい。
*
その後、岸田さんの赤べこTシャツとハンカチ、トートバッグの発送作業を6人で4時間かけて行う。
岸田さんのお客さんはどんな人がいるのか直接知りたかったので、今回は倉庫に頼まず、自分たちの手で行った。
やりながら、本当にいろんな人が買ってくれているんだなとたくさんの気づきがあった。
また、岸田さんが段ボールに絵を描いたり、手紙を添えたり、買った人だけが読めるだけのエッセイを添えたりもした。お客さんに楽しんでもらえるためのポイントをたくさん作ることができた。
経営をするにあたり、どうすれば視座を上げれるのか、ずっと考えている。そのため、できるだけ高い視点からものを見る練習をしている。思わず身近な未来を考えてしまうが、どれだけ遠い未来を考えられるか。どれだけたくさんの人のことを考えて、世の中に大きな変化を起こすのか。これらを意識的に考えるようにしている。
本当に世の中に変化を起こすには、鳥の目だけでなく、虫の目も重要だ。
僕は今、もう一度新人マンガ家とマンガを立ち上げることで、現代のコンテンツに触れている。また、昔読んだ本を読み返したりもしている。コンテンツの面では、虫の目になろうとしているのだ。
そして今回、発送作業を一から行った。手触りがある仕事をどうやって行っていくかが、すごく重要だと考えている。結果、直接作業をして肌で感じられることがたくさんあり、今回は本当によかった。
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