学び方を学べ! 『ドラゴン桜2』連載開始!!
1月25日、明日木曜日、ついに『ドラゴン桜2』の連載が開始する。
『インベスターZ』の連載が終わって、次に何をするか打ち合わせをしていた。僕の頭の中に、『ドラゴン桜』を再開するという思いは全くない。僕は三田さんの『砂の栄冠』が大好きで、それよりも感動する作品を作りたいという漠然とした考えを持っていた。
三田さんは、大学入試の共通一次世代だ。それが導入されるに当たって、世間のニュースがどれだけ入試ネタ一色になり、浪人したくないという学生の行動がどのように変わるのかを身をもって体験している。2020年の教育改革の時も同じことが起きる。その時までに、今回の教育改革の主要な情報がわかりやすくまとまっていて、勉強法を現代版に刷新しよう!そう三田さんに提案された。盲点過ぎて自分で思いつきたいアイディアだった。中高生の投資部が本気でお金を運用する話という『インベスターZ』のネタも、三田さんのアイディアで、一つ連載が終わると新しいアイディアがどんどん出てくる。インベスターZの時も聞いた瞬間は、この設定はいける、と思ったけど、今回もそう思った。それで、すぐに『ドラゴン桜2』の企画が動き出した。
今の時代、面白い作品を作ることと同じくらい、もしかしたら、それ以上に届けることが大変になっている。雑誌に掲載したら、数十万人が読んでくれて、その人たちが口コミのハブになる時代は終わった。数万人は、口コミのハブにはなりえない。どのようにして、数十万人が『ドラゴン桜2』を読むようにするか、がコルクの課題だ。
同時に、三田さんの最大の価値は、他の人には思いつかない設定、大胆なセリフにある。その価値を最大限伸ばせるように環境づくりをすることも、同様にコルクの課題だ。
連載前に、今回の連載を開始するに当たって新しく始めた挑戦を書こうと思う。
1 作画の外注化
繰り返すが、三田さんの最大の価値は、ストーリーだ。そこに集中し、作家人生が長くなるように、環境を整えることにした。外注というと簡単に聞こえるが、それを実現するのは入念な準備がなされている。まずは、インベスターZで背景の作画を5年間依頼した。それによって、三田流の線のタッチを学んでもらい、コミュニケーションの取り方を確立した。そして、今回、人物も任せるに当たって、何度もそのデザイン事務所へいき、人物の描き方講座をした。襟の描き方、髪の描き方などなど、想像もできないような細部の描き方を何度も話し合って、作画体制を気づいた。一見、外注化と聞くと楽になるだけのように聞こえるけど、その楽さを実現するため、準備にかなりの時間を割いていて、それが三田さんのすごさだと改めて実感した。
2 タイムバンクの上場
明日掲載の1話から早速、タイムバンクで作画時間を購入した人たちが登場している。三田さんの熱心なファンが、より作品に関われて、楽しめる仕組みを作った。また、作家にとって、原稿料以外の収入の確保になった。
ドラゴン桜2がヒットした時に、それを応援しているファンも金銭的に収入を得るという仕組みは本当に面白い。
よかったら、株を買うような気持ちで、ドラゴン桜2の時間を購入して、ヒットするように祈る僕らと同じ側の気分になってみてほしい。
https://timebank.jp/
3 複数の掲載先
連載時に、どれだけ多くの人に見てもらうかが、すごく重要だ。さらに、どれだけ本気で読んでもらうかも重要だ。毎週、楽しみにして、じっくり読む人と、コンビニで立ち読むをする人は、同じ一人の読者だけど、作品のために持ってくれている熱量が違う。
そこで、様々な熱量の人のために、それぞれの人に最適なメディアを用意した。
最も濃いファン向け
三田紀房に自由に質問できて、返事がもらえる。インタラクティブ性もあり、取材の裏側がわかって、教育についてもっと詳しくなれる。そういうファンには、情報を受け取り損ねないようにするために、月定額の仕組みを用意した。
メルマガ連載
https://mitanorifusa.com/community
マンガファン向け
三田さんの濃いファンではないけど、面白いマンガを探している。それですごく気に入ったら、単行本を買ってくれる時もある。そんなファン向けには、有料都度課金。
モーニング dーモーニング
http://morning.moae.jp/lineup/927
ファン予備軍向け
三田さんの名前も特に知らない、時間つぶしのコンテンツを探している人向けに、毎週無料で、アプリで読めるようにした。
マンガBang
無料で配信すると、有料で楽しむ人がいなくなるのではないか?ということをいう人がいるが、僕はそうは考えてない。ここの無料で読んだ人たちを、どのようにして、濃いファンにするか。それが、コルクが直面している課題だ。
無料の食堂があったら、全ての食事をそこで食べたいか、というと、そんなことはない。自分で行きたいレストランを探す。
作品は、魂の食べ物だ。どこで、どのように摂取したかが、実は重要である。作品を情報としてではなく、体験として提供すること。そのために、3つの層に向けて、適切な届け方を設計することが大切である、という仮説に基づいて今回は連載先を選んだ。
4 ファンと作る
『ドラゴン桜』の時は、全ての勉強法を僕が取材して、用意した。しかし、受験からあまりにも時間が経ってしまって、もうそこの感度が鈍っている。そこで、思い切って、現役の東大生で、ドラゴン桜の影響もあって東大に入っている学生に声をかけた。そして、勉強法をサポートするファンによるボランティアチームを結成した。
今、『ドラゴン桜2』のストーリーの準備はかなり先まで行なっているのだけど、学生らちから出てくる勉強法が、秀逸すぎる。そんな手があったか!今の時代はそのほうがいいね。唸ってしまうアイディアばかりが出てきて、正直びっくりしている。
もう知識で闘う時代は終わった。どんどん変化する時代に合わせて、新しい情報を学び、実践しないといけない。今回の『ドラゴン桜2』は、学び方を学べる物語になっている。
東大生プロジェクトチームのツイッターもできているので、フォローするとよりドラゴン桜2を楽しめると思う。
https://twitter.com/_dragonzakura_
5 担当を「まほぴ」に任せる
これは、個人的な挑戦だ。
ドラゴン桜は、僕のアイデンティと結びついているくらい、三田さんだけでなく、僕にとっても大事な作品だ。細部までこだわり抜きたい。でも、今の時代でヒットさせるためには、担当を若返らせないといけない。全体戦略は、話し合いをしながら、そして、作品の内容は、全て担当編集者まほぴが自由にできるようにした。
自分のすごく大切なものを、他人に委ねる。初めはかなり勇気がいることだったけど、今は、まほぴが仕事を楽しんでいて、こちらも楽しい気分になっている。
まほぴのツイッターはこちら。https://twitter.com/mhpokmt
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