時間は資産だ!(タイムバンクが生み出す新しい価値)
僕はメタップスの佐藤さんのファンだ。ブログをずっと愛読していて、何度か連続で深く共感して、インベスターZの取材を口実に、アポを取って会いに行った。
佐藤さんは過去のブログでも、
インターネットというテクノロジーを活用して、私達が日常で使っている「お金」に依存しない経済が実現できるかどうかというテーマです。
ということを書いているけど、実際に会った時にも「数年以内にお金を1円も使わないで、1年間生活をできるようになっているはずだ」ということを話していた。とにかく発想が常識にとらわれていなくて、話す内容どれもが刺激的だった。ベンチャー経営者の価値は、目の前の世界にとらわれずに、未来を想像する力だと思っている。メタップスの佐藤さんの想像力、妄想力はずば抜けている。佐藤さんと話すことで、僕も常識の殻をやぶることができる。
そんな佐藤さんから、新事業の相談をしたいのだけど時間をとってもらえないかと頼まれたら、もちろん二つ返事で引き受ける。それが、タイムバンクだった。
お金は価値をはかる一つの指標ではある。非常に分かりやすい指標だから、誰もが影響を受けてしまう。しかし、誰もが分かっているように、お金で測れない価値が世の中にはたくさん存在する。そういう価値の中でも、特に重要な時間を可視化しようというのが、タイムバンクの試みだと僕は理解している。
これは、若者を助けるサービスでもある。若者は、老人よりもお金を持っていない。あるのは時間だけだ。未来の可能性ということであれば、若者の方がある。その可能性を、言葉での慰めだけにせず、タイムバンクは可視化してお金にも変えることを助ける。
新しい価値観の中に生きる人々を支援するサービスでもある。YouTuberは、どれだけフォロワーがいて収入があっても、今の世の中ではローンを組めない。社会の変化の早さに、仕組みや企業の変化がついていけない。いち早く時代に対応した若者のほうが、生きづらさを感じてしまう。タイムバンクは、そのような旧来の価値観では測ることのできない才能の価値を可視化するサービスでもある。タイムバンクでの評価額が担保となって、実際に銀行から融資を受けて、ビジネスをできる日は遠くないかもしれない。
佐藤さんの生み出す事業は、壮大な思考実験であると同時に、今の時代にあった新しい価値観を根付かせるための装置でもある。そのような強い覚悟が、タイムバンクの発表に合わせて久しぶりに更新されたブログからも伝わってきた。僕も微力ながら、運営をサポートするのを手伝わせてもらう。
今回の発表をみながら、事業は経営者にとって世の中に問う作品であると、改めて感じた。僕は作家にはならなかったが、世に作品を残したいとは強く思っている。コルクもCTOの萬田@daisakkuとコルクのみんなで、どのような作品を世に問おうか、議論を重ねているところだ。新しい価値観を生み出す作品を僕ら自身も早く世に問いたくてウズウズしている。
最後に余談で、僕が一緒に仕事をしているAR三兄弟の川田十夢も、佐藤さんと同じくらいぶっ飛んだ話しかしていない。ギャクと本気の境目が分かりにくい男だ。出会った頃からずっと「モノとか土地に宿ってる記憶を可視化したいんですよねー」ということを言い続けていた。
それのデモ版がやっと出来上がったみたいで、未来がちょっとずつこちらへとやって来ている。
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