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未来は常に過去を変えていく。人生は「発見の行程」だ

僕にとって「失敗」という概念は存在しない。

こう書くと、「なんて自信過剰な奴だ!」と思われるかもしれない。

だが、僕らは客観的な世界に住んでいるのではなく、自らが意味づけをほどこした主観的な世界に住んでいる。つまり、自分が失敗だと捉えなければ、それは失敗ではないのだ。

平野啓一郎さんの小説『マチネの終わりに』に、こんな一節がある。

“人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細でかんじやすいものじゃないですか?”

「未来は過去を変えることができる」

これは『マチネの終わりに』の中で、幾度となく繰り返される言葉だ。

過去の出来事の評価を決めるのは、いつでも現在の自分の主観であり、それ故に「過去」とは移ろいやすく、繊細なものである。つまり、全ての物事の評価は更新可能なのだ。

一時的に失敗と感じたとしても、その出来事を契機に、より良い状況を築き上げることができたら、それは「成功」と捉えることができる。

振り返ると、僕は10代や20代の頃から、自分の過去の経験は現在の自分によって、その意味を変化させることを無意識に感じていた。

例えば、僕は南アフリカで10代前半を過ごしていたが、そこで暮らしていた当時は、「こんな場所から、早く日本に帰りたい」といつも思っていた。しかし、日本に帰国し、月日が流れると、そこで経験したことが現在の自分を構成する上で大切な要素を占めていたのではないと思い、南アフリカでの日々を懐かしく思うことがある。

そんな風に漠然と感じていたことが、『マチネの終わりに』や平野さんが唱える「分人主義」に触れることで、頭のなかが整理され、「過去は未来によって変えることが可能だ」という言葉が、僕の人生観にも大きく影響を与えるようになった。

それまでは、単により良い未来をつくりたいと考えていたが、「過去の出来事全てに価値があった」と思える未来を目指したいと考え方が変わったのだ。

フレデリック・ラルーが書いた『ティール組織』にも、こんな一節がある。

“人生を「発見の行程」だと考えれば、人生で出遭う挫折や失敗、さまざまな障害に潔く対処できる。「この世の中に失敗などは存在しない。ただ自分自身や世界の奥底にある本当の姿に近づくための経験にすぎない」という精神的な悟りへの入口をつかむことができる”

まさに、僕が考えていることを的確に表した文章だ。人生は「発見の工程」である。

何か新しい物事を始める時に、「失敗したくない」と思い、躊躇する人は多い。それは、自分が起こした出来事に失敗という評価が固まると思うから、怖くなるのだ。

常に評価は更新可能だと思うと、怖さが消える。

失敗したと感じても、その最終評価を下すのは、結局は未来の自分だ。

全ての出来事は、未来へ向けた行程だと捉えて、聖なる一歩を踏み出す人が増えると嬉しく思います。

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【イベントのお知らせ】  新人マンガ家達と僕の「トークイベント」を7月16日(火)夜に行います!

このnoteマガジンをお読みいただいている方はご存知だと思いますが、現在の僕が最も精力を注いでいるのは、新人マンガ家達と一緒にヒット作品を生みだすことです。

彼らとは世界的な大ヒット作品をうみだすことを最終目標に掲げていますが、まずは1、2年以内に、自分のマンガを本にして出版することを最初の目標としています。

そこで、彼らのこれからの活動を多くの方に応援してもらいたいと思い、「コルクインディーズトークイベント」を行うことにしました。また、マンガ家のライブペインティングなども行います。

☆「コルクインディーズ」とは、コルクが7月より新たに立ち上げる、新人作家が所属するレーベルのことです。

僕がとても才能を感じるマンガ家たちなので、是非会いに来てください!!

それに、僕のnoteマガジンを読んでいる方には、僕がどれだけ本気で新人マンガ家達と向きあっているかを肌で感じてもらえたら嬉しいです(笑)。

詳細は以下となります。会場でお会いできるのを楽しみにしてます!

《コルクインディーズ トークイベント 詳細》

◉日時:7月16日(火)19:00 - 21:00
※会場自体は18時からOPENです。18時から19時の間は、各作家ファンミーティングを行います!

◉会場:東京の青山近辺

◉参加費:2,000円

◉プログラム内容:
・コルクインディーズとは(佐渡島より)
・所属新人マンガ家の紹介
・ライブペインティング
・サイン会など

◉申し込み方法:
以下のフォームからお申し込みください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScNr7k0sfyQlxFVzmMKliHgmdY0j2UqjPbek7c3fSM4kq7Uzg/viewform


◉コルクインディーズ所属のイベント参加作家:
おたみ如月新一月本千景つのだふむホリプーやじまけんじ

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未来は常に過去を変えていく。人生は「発見の行程」だ

佐渡島庸平/コルク代表

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2002年に講談社に入社し、週刊モーニング編集部に所属。『バガボンド』(井上雄彦)、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)などの編集を担当する。2012年に講談社を退社し、作家のエージェント会社、コルクを設立。

コメント1件

有料記事部分に対するコメントなので購入していない人にとってはなんのことやらわからないようなコメントを書きます。
むかし、最相葉月/瀬名秀明の「未来への周遊券」という往復書簡書籍に刺激され、某医療系編集者と往復書簡ブログをやったことがあります(ある意味失敗した過去です)。
最近、又吉直樹/武田砂鉄「無目的な思索の応答」を読んで、某と、今なら過去の失敗を失敗じゃなくできるかもね、と話し、そろそろ再戦しようか、と盛り上がったばかりです。なのでちょっと驚きました。
仮の話ですが、ぼくが今、佐渡島さんと往復書簡やりたいですと人の目につくところで発言したら、無慈悲な三角関係みたいになって某が発狂しそうでうけるなーとおもいました。ご回答ありがとうございます。
なんのことかわからない人は記事を購入して本文読んでみてください。
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