全体を全体のまま理解する。そして、全体を理解するための日記について。

社会をみて、どのような仕組みで動いているのか、全体的に理解できる人はほとんどいない。だから、学問は細分化する。物理学者は、数式を使って宇宙の始まりを知ろうとする。天文学者は、違うアプローチで宇宙の始まりを知ろうとをする。

社会の仕組みは魅力的でも、細分化した学問は、躍動感がなくつまらない。しかし、細分化しないと、理解できない。その道の研究者は、細分化した情報から全体を想像できている。

部分で理解しようとすると、大きな誤解を生み出してしまうこともある。IT企業のPV至上主義が、批判される時があるが、似たようなことは至るところで起こっている。

年功序列だって、PV至上主義と同じだ。年齢が高い方が、経験豊かで仕事ができるだろうと、部分で全体を理解しようとして起きている問題だ。

全体を全体のまま理解するには、どうすればいいのか?

『ウェブはグループで進化する』という本の中にこんな一節が出てくる。

「人々はこの数百年間というもの、あるものがどう動くのかを知るために、それをバラバラに分解して調べるという行為を繰り返してきた。それは私たちが合理的で、論理的な思考をする存在であり、複雑なシステムでもそれを構成する部品をすべて把握できれば理解可能だと考えられていたためである。科学のさまざまな分野において、そうした部品の洗い出しをしようと努力が続けられてきたが、システム全体としてどう動くのかを理解するというゴールには到達していない。単純な動きの集合体からどのようなシステムが生まれてくるのかを研究しているだけでは、個々の部品の動きはわかっても個々の動きが全体としてどう相互作用しているのかを理解できないままなのである。それと同様に、人間のソーシャルネットワークも創発システムである。つまり個々の人間の動きを理解しても、彼らが全体としてどのような人間関係を築き上げているかはわからないままなのだ。」

今、コルクという会社でずっとKPIを何にするかという話し合いをしている。編集者やテレビのディレクターは、人間力が勝負だと言われて、KPIなどが設定されているマスコミはない。しかし、何らかの可視化された道筋がないと、再現性のある形で人が成長しない。

経営も、一時期は、人間力だと言われていた。それを、マッキンゼーが、新卒の大学生でも再現のできる型にした。新卒の大学生は、マッキンゼーの型を使えば、起業はできなくても、大企業の経営者にアドバイスをできる。

営業も同じだ。リクルートが、営業を科学して、再現性があるものにした。

僕は、それを編集に対して実現したいと思っている。そのためには、編集という行為を部分に分解して、一度、理解しないといけない。その思考を繰り返している時、僕は常に全体でないと理解できないことがあることを、頭の片隅に置いて、直感を大切にしている。


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有料部分は、日記。なぜ、僕は日記をあげるのか? それは、今日のコラムと関係がある。編集者という仕事柄、色々な人にインタビューをする。成功した人に、成功するためにしたことを聞いただけでは、わからないことが多い。何をやらなかったのか、やったというのは、どれくらいやったのかも合わせて聞く必要がある。

経営者が組織のことに本気にならないと、組織が変わらない。そんな風にアドバイスをもらって、組織のことを真剣にやりだした。それでも、予測しているようには組織が変化しない。もう一度、聞き直した。全体のどれだけを、組織のために使っているのですか?と。僕は、3、4割のイメージだった。でも、答えは、6、7割。

料理のレシピも、分量が違うと、全く違う味になる。でも、経営の本などに載っている情報は、要素だけだ。分量への想像ができるのが、日記だと考えて、僕は日記を有料部分にあげることにした。

このブログは、僕の思考した部分だ。僕を、全体で捉えて理解してみたい。そう思ってくれる奇特な人のために、日記を書いているのだ。


7/4(水)

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全体を全体のまま理解する。そして、全体を理解するための日記について。

佐渡島庸平(コルク代表)

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コルク代表・佐渡島のnoteアカウントです。noteマガジン『コルク佐渡島の好きのおすそ分け』、noteサークル『コルク佐渡島の文学を語ろう』をやってます。編集者・経営者として感じる日々の気づきや、文学作品の味わい方などを記事にしています。

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