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学校の宿題は、無理にやらせなくてもOK? 親野智可等先生に聞く、休校中の子供への接し方

新型コロナウイルス感染拡大の影響を最も大きく受けている現場のひとつが、保育や教育分野、またそこに関わる親たちだ。2月末に休校要請があってから、多くの子どもたちが長期にわたって、毎日を自宅で過ごしている。

親自身も慣れない在宅勤務や、先行きの見えない状況に対するストレスを抱えるなか、子供たちと、どう向き合えばいいのか?

そう考えた時に、学校教師として長年現場を見てきた経験から、子育てについての考えを発信し続ける親野智可等先生に話を伺いたいと思った。

『ドラゴン桜』では、受験勉強中の子供への接し方についても触れているが、そのほとんどは親野先生の話がもとになっている。先生の教育論は、『「ドラゴン桜」わが子の「東大合格力」を引き出す7つの親力 』として出版もしている。

今回、4月23日にオンラインで行われた僕と親野先生との対談内容をコルクラボのメンバーがレポート記事を作成してくれたので、それを共有する。

<記事の書き手 = コルンジックさやか、編集協力 = 井手桂司

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親野智可等(おやのちから)さん。
教育評論家。本名 杉山 桂一。長年の教師経験をもとにメールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発行。具体的ですぐできるアイデアが多いと評判を呼び、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛される。また、子育て中の親たちの圧倒的な支持を得てメルマガ大賞の教育・研究部門で5年連続第1位に輝いた。読者数も4万5千人を越え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。『「叱らない」しつけ』(PHP文庫)などベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。ブログ「親力講座」とツイッターで毎日発信中。全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気。講演依頼とメルマガ登録は「親力」で検索してHPから。

Webサイト / Twitter / Youtube

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こんな時だから心がけたい子育ての大原則

佐渡島:
今、うちの息子たち3人は全員、学校がなく家にいます。子育てには普段から悩みが尽きませんが、この時期、親が気を付けるべきことはありますか。

親野さん:
この状況は、親もストレスが溜まりますよね。

そんな時に、子供が宿題しなかったり、片付けしなかったりすると、つい叱りすぎてしまうことがあります。あまり子供を叱り続けると、子供の自己肯定感が下がり、親子の信頼関係も損なわれます。

ここはひとつ親が開き直るのが大事です。

非常時ですからストレスはあって当たり前ですし、親は休校によって子供の学力に対する不安や焦りもあるので、こうした子供を愛するがゆえのストレスも降りかかってきます。

ですが、過去の歴史を振り返ると、第二世界大戦の終戦後は学校教育がほとんど成り立たない状態でしたが、それでも終戦まもない時代に育った子供たちが日本の高度成長期を支えてきました。今はインフラも整備されていますから、「なるようになるさ」と開き直りましょう。

佐渡島:
子供が小さいうちだけでなく、中学・高校と進んでいく中でも、本音で話し合える親子関係の築き方はありますか。

親野さん:
まず親も子供も一人の人間同士だと自覚し、上下ではなく「横並びの関係」を意識してください。子供は天からの授かりものだと言いますが、授かっているのではなく、「預かっている」のです。

一人の人間の大事な期間をお預りし、育てさせていただいているのだと思ってください。そうすれば、否定的で権力的な言葉は出てこないはずです。子供は侮れない存在ですから、一人の人間としてリスペクトしながら育てる。相手を否定しない、責めない、咎めない。そういう気持ちを持って言葉を選ぶ事が大事です。


学校の宿題はやらなくてもいい?

佐渡島:
ほとんどの学校はオンライン授業へ移行しないので、休校中は学校から大量の宿題を渡されています。ただ、子供たちは進んで宿題をやりたがらない。それで、宿題の内容を見てみると、確かに面白くはないんですよね。こういう時、無理やりやらせたほうがいいのか、判断に迷います。

親野さん:
面白くないものを強制的にやらせるのは逆効果だと思いますね。

そもそも、この非常時に勉強へのモチベーションを持っている子供は、ほとんどいないと思います。それなのに新しい宿題をどんどん渡されて、終わりも見えないし、やらなければ親に怒られるという状態です。この状況は、もしかしたら勉強が嫌いになる子供を大量生産しているかもしれません。

佐渡島:
子供が宿題をやる気にならなかったら、やめてしまってもいいのでしょうか。

親野さん:
私はいいと思います。本当に大事なのは、子供を伸ばすこと、子供を健全に成長させることです

宿題はその手段であって、それが目的化してしまってはいけません。本来の目的のためには何をしたらいいのか、本当に宿題をやらせることがいいのかをわが子に照らし合わせて考えてください。これだけ大量の宿題をやらせるのは無理だなと思ったら、親の責任でやめさせてください。親にはそういう権利があります。そして、なぜそう判断したかをしっかり先生に伝えることも大事です。それをしないと、ただ単にサボっただけと取られてしまいますから。

佐渡島:
なるほど。また話が変わりますが、日本ではなぜオンライン教育が進まないのでしょうか。

親野さん:
日本でオンライン教育が進まない理由は、主に3つあります。

1つ目は、国や文科省です。諸外国では将来を見据えたオンライン教育の整備が以前から進められており、コロナ禍で一斉休校となってもオンライン授業への移行がスムーズに行われました。しかし、日本には長期的で明確なビジョンがないため、先頭に立ってオンライン化を指揮する人がいないのです。

2つ目に、学校の先生たちの授業観があります。黒板や教科書を用いた一斉授業がいまだに評価され、タブレットを用いた授業を行っても評価されません。熊本市でICT化を強力に推し進めている先生がいらっしゃいますが、そういった若くてリーダーシップのある先生が、現場から上を突き動かすつもりで具体的な一歩を踏み出してほしいと思います。

まずはZoomで朝の会をやるだけでも第一歩です。大人たちがZoomで宅飲みをやったら楽しかったというように、子供たちも給食を一緒に食べたら楽しいと思います。先生がYoutubeで授業を配信し、質疑応答をチャットで行うのもいいですよね。今からでもすぐ始められますから、全国で一斉に準備が整うのを待つのではなく、始められるところからぜひ始めていただきたいです。WiFi環境やタブレットなどが無い家庭には、貸し出しを行えばいいのです。諸外国も始めはそうして試行錯誤してきたのですから。

3つ目には、親の問題もあります。スマホやタブレット、PCを使い、Youtubeで学習することに親のほうも懸念があります。もちろん全くリスクがないとは言えませんが、危機管理をしつつ利用環境のある家庭から利用していけばよいと思います。


休校期間こそ、子供の可能性を広げるチャンス!

佐渡島:
では、この休校期間中、子供は何をすればいいのでしょうか。

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佐渡島庸平(コルク代表)

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コルク代表・佐渡島のnoteアカウントです。noteマガジン『コルク佐渡島の好きのおすそ分け』、noteサークル『コルク佐渡島の文学を語ろう』をやってます。編集者・経営者として感じる日々の気づきや、文学作品の味わい方などを記事にしています。

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『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』などのマンガ・小説の編集者でありながら、ベンチャー起業の経営者でもあり、3人の息子の父親でもあるコルク代表・佐渡島庸平の思考を「おすそ分け」していくマガジンです。表では書きづらい個人的な話を含め、日々の日記、マンガや小説の編集の裏側、ここだけの対談レポート記事などを公開していきます。 詳しくは:https://www.sady-editor.com/n/ncaf941f64a0d

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