影響を与え合える「仲間」の尊さ。
プロマンガ家を育成する『コルクラボマンガ専科』。
8月をもって、1期のカリキュラムが全て終了した。
知識を体系化し、マンガを描くために必要な「観察力」と「表現力」を受講生のみんなに身につけてもらう。そのために、一緒に講師を務める山田ズーニーさん、東京ネームタンクの後藤さん、コルクの運営メンバーと、この半年間やってきた。
最終課題は32ページのネーム提出なのだが、「ペン入れしたら、出版社で新人賞を取るかもしれない」と感じられる作品が多く、想像以上のみんなの成長に僕らも驚いた。
(▼)コルクラボマンガ専科を立ち上げた際の想い
ただ、僕ら講師陣は、あくまで気づきを与えるキッカケに過ぎない。
僕が何よりも嬉しかったのは、受講生のみんなが、プロマンガ家を目指す仲間を見つけ、お互いに影響を与えあっている姿を傍で見られたことだ。
オンラインや、講義が終わった後の飲み会で、マンガに関する悩みを共有したり、マンガ家としての夢を熱く語りあう。そんな仲間と出会える場に、マンガ専科がなっていることに喜びを感じていた。
第一回目の講義の時に、「水をすくうのではなく、水を交換する」という話を受講生のみんなにしたのだけど、まさに「交換」をしてくれた。
マンガ専科を価値ある場に育ててくれたのは、受講生のみんなだ。
(▼)「水をすくうのではなく、水を交換する」の詳細はコチラで
コルクラボマンガ専科は、10月から2期が始まる。
1期のように、場に貢献し、お互いに影響を受け合い、「他人も、自分も変わっていく」経験を、この場所で感じてもらえたら嬉しい。
また、1期の卒業メンバーと2期のメンバーが交流したり、期を超えてお互いに刺激を与え合えるような仕組みも入れていく予定だ。マンガ専科の伝統として、期を重ねるごとに、マンガ家のコミュニティが広がっていくようにできたらと考えている。
僕自身、マンガ専科によって、毎日がより楽しくなった。受講生のみんなが「#コルクラボマンガ専科」をつけて、SNSに投稿してくれるマンガを見るのが、毎日の楽しみだった。
2期でも、本気でプロのマンガ家を目指す人と出会えることにワクワクしている。すでにプロの人でも、まだマンガ家を描いたことのない人でも構わない。真剣にプロのマンガ家を目指したい人であれば、誰でも大歓迎だ!
マンガについて、たくさん話そう!!
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▼マンガ専科・受講生インタビュー
1期の受講生ふたりに「マンガ専科の感想」をインタビューした記事を、コルクラボのメンバーがつくってくれた。受講しようか迷っている人は、是非読んでみてください。
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== 受講生インタビュー(1)==
プロマンガ家として、もっと良い作品を作るために!
月刊ヤングマガジンで『もんもん飯』を連載中のプロマンガ家・ナタでココさん。
7月には初の単行本も発売し、多忙を極めていたにも関わらず、コルクラボマンガ専科を受講したのはなぜなのか?コルクラボ・エディターズギルドのきゅうたろうが、話を聞きました。
ーー プロマンガ家として活躍中のナタでココさんが、コルクラボマンガ専科に応募された理由を教えてください。
連載中の『もんもん飯』をもっと良い作品にしたかったから。これが一番の理由ですね。
『もんもん飯』は青年誌の作品ですが、私は読者を感動させる少女マンガ家になりたかったんです。
2011年の震災後、笑顔が少なくなった友人・知人たちを目にし、読み終わった後に笑顔になる作品をつくりたいと思うようになりました。
主催のコルク代表・佐渡島庸平さんといえば、青年誌で数多くのヒット作品に携わっている名編集者。過去にも佐渡島さんの講座を受け、マンガづくりのノウハウがとても参考になったので、今回の受講を決意しました。
一流になるためには、やるしかない。
ーー 講師陣からのどんなアドバイスが作品づくりの参考になりましたか?
ひとつは、佐渡島さんから「一流のマンガ家たちは第一稿のネームで終わりではなく、何十回も推敲する」と聞き、駄作への恐怖が完全に解けました。
天才と言われる人たちですら相当な努力をしているのだから、「自分もやるしかない!」と吹っ切れたことは大きな転換点でしたね。
ふたつめは、ごとう隼平先生から学んだ「コレドナ感(コレどーなっちゃうの感)」。
課題マンガでは「他作品の設定(舞台やコレドナ感)」を活かしたオリジナル作品づくりが課され、読者に読み進めてもらうために必要な要素がより明確にわかるようになりました。
自分の連載作品でも、1話ごとに「感動した!終わり!」ではなく、「次はどうなるの!?」と、ヤキモキするような終わり方を意識できるようになったのは大きな学びです。
未完成でも即投稿!苦手意識の克服へ
ーー マンガ専科への参加前と後で、「マンガづくり」に対する気持ちの変化はありましたか?
マンガづくりは、楽しく辛い。この思いに変化はないですね。
ただ「#スケッチブックス」という、ラフでもいいからイラストを毎日描いてSNSに投稿する課題は、苦手意識を持っていた作画力のアップにつながりました。
講師陣からも「時間をかけたからと言って良いものが描けるわけではない!描いたらすぐ投稿!」と言われたことも、投稿し続ける励みになりました。
正直なところ、初の単行本を発売できたことで、一時期は満足していたんですが、やっぱりもっと良い作品を作りたい。そのためには、近道はどこにもなく、何枚も描くことが一番大事なんだとわかりました。
本気で良い作品をつくりたい人を待っています
ーー 第2期の募集が始まります。どんな人にマンガ専科をおススメしますか?
頑張りたくても頑張れない人、見えない壁がなんなのか分からない人におススメしたいです。
プロかどうかだったり、マンガづくりの経験値で、参加を迷わないでください。大事なのは、本気で良い作品をつくりたいと思っていること。
そのためのノウハウや一緒に頑張る仲間が、コルクラボマンガ専科には存在します。また、描き続けるための習慣化への仕組みがあります。
笑顔になる作品を届けたい
ーー 最後に、ナタでココさんが目指すマンガ家像を教えてください!
作品づくりに関しては、読者の方が、自分の作品を読んで笑顔になってほしい。本を閉じた後も、楽しい気持ちで日常を送ってほしい。これに尽きますね。
それ以外では、動画配信にも挑戦したいです。読者の方とコミュニケーションが取れるような仕組みだったり、イベントにも参加していきたいです。
最後にあえて言うと、私が描く女の子を見た読者さんが、スタンディングオベーションするくらい魅力的な絵を描ける漫画家になりたいです。
少女漫画家を目指していたので、柔らかくて可愛い女の子を描くのが大好きなんです!幸せなんです!!たまらないんです!!!
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== 受講生インタビュー(2)==
Twitterのフォロワーが約8,500人へ!その理由は?
コルクラボマンガ専科受講中に発表した課題作品「割れない茶碗」が、Twitterで10万「いいね」を集めたよこせさん。
受講前はSNSアカウントも持たず、作品を完成させることも難しかったよこせさんが、なぜこんな短期間で読者に届く作品をつくることができたのか?コルクラボ・エディターズギルドのきゅうたろうが話を聞きました。
ーー 「割れない茶碗」を発表後、Twitterのフォロワーが増え、今では約8,500人になったそうですね。
そうなんですよ!4月末の時点では約300人くらいのフォローということを考えると、スゴいですよね(笑)。
あの作品が書けたのは、山田ズーニー先生の「自分の想い」を言葉にするワークショップのおかげです。このワークを通じて、作品作りには「覚悟」が必要だと理解できました。
(▼)「割れない茶碗」はBuzzfeedに掲載されました。
自分と向き合い、思い出の引き出しをあけ、深く入り込む。
辛い作業ですが、その感情をうまく作品へ落とし込むができたので、10万人の読者に届けることができたのだと思っています。
自分ではストーリー作りは得意だと思っていましたが、まだまだやることがたくさんあると気づかされました。
濃い仲間との関係性と、楽しく学び続ける仕組み
ーー 6ヶ月間の講座の感想は、いかがでした?
まずは、講義内容が素晴らしく良かったですね。
「表現力」や「テーマ設定」について山田ズーニー先生から学び、マンガを描く「技術」を東京ネームタンク・ごとう隼平先生から体系立てて学ぶことができます。これだけでもすごいのに、その他の講義もとても勉強になりました。
特に、SNSを通じて作品をどう読者に届けていくのかを、初歩の初歩から学べたのはありがたかったです。コルクラボマンガ専科では、Twitterのアカウントの運用や投稿の仕方などを学べる講義もあったので。
また、楽しかった時間のひとつに、講義後に行く飲み会があります!
マンガ家を目指す仲間と講義の内容を振り返ったり、自分の作品を解説したり。感想を言い合うことも、誰かからもらえるリアクションも嬉しくて嬉しくて、至福の一時でした(笑)。
6ヶ月間、月に2回集まって、一緒に学ぶメンバーと濃い関係性を築ける仕組みがあるから体験できる楽しさですね!
仲間と一緒に、マンガ家を目指す
ーー 2期生の募集がはじまりますが、どんな人におススメしたいですか?
描きたいものが見つからない。作品を描き切ることができない。そんな悩みを持つ人にオススメしたいですね。必ずヒントを得ることができると思います。
そして2期がスタートしたら、即やってほしいことがあります!
積極的に隣の人に声をかけてください!
全員と友達になる気持ちで参加しましょう。自分の顔と作品を、同期にいち早く知ってもらうためには自分から行動するのみ。今後は、1期生が2期生のアカウントをフォローし、2期生が3期生をフォローし...とさらに強力な仲間が増えていくはず。ぜひ最初に同期とつながりましょう!
自分の作品に共感してもらえる嬉しさ
ーー 最後に、よこせさんが目指すマンガ家像を教えてください。
誰しもが感じたことのある感情を描けるマンガ家になりたいです。
たとえば幼少期の体験だったり、ふと思い出してしまう感情だったり。そんな繊細で、宝物のように大事な、誰しもが感じたことのある感情を描きたいですね。
自分の作品に共感してもらえる嬉しさは、コルクラボマンガ専科を通して初めて知った感情です。
今後も自分の感情や経験を作品づくりに活かし、その作品を読者にきちんと届けることができるマンガ家を目指します!
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