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「怒り」は、自分の甘えに気づくチャンス

「怒り」とはなんなのか?

辞書には、「腹立ち、憤り」と書いてあるだけで全く思考が進まない。wikipediaの方がずっと役に立つ。「怒りは、原初的な反応で危険にさらされたという意識、認識に起因している」とのこと。

出版社で働いて、3、4年目、新入社員の「指導社員」になった。僕は、彼の仕事への態度が本気ではないと怒り、彼を一人前にするために叱っていた。悪いのは、本気でない彼であり、わざわざ叱るのは彼のためで、僕の役目だと思ってやっていた。

怒りとは、危険にさらされたという意識に起因するという知識をもって、過去を振り返ってみる。僕は、新入社員によって、一体どんな危険にさらされたのか。

僕の仕事のアウトプットが、僕一人でやっていた時よりも低くなることを恐れていたのかもしれない。それに伴う僕の評判もかもしれない。

つまり、僕は、新入社員が関わるだけで、質が下がるかもしれないレベルの仕事をしていたわけで、それに伴う評判まで気にしていたとなると、相当、器が小さい。しかも、怒ることを相手のためと思っていたのだから、器はなおさら小さい。

コルクを創業したあとも、よく怒っていた。糸井重里さんに、「社員は弟子じゃない」というアドバイスをいただいていたのだけど、そのことの意味を理解できていなかった。一流を目指すなら、そうじゃない姿勢、行動の時に、叱って気付かせるのが優しさだと考えていた。

それは、叱らないとメンバーが気づけない制度しか会社にないことを意味する。そして、メンバーが一流になってくれないと会社が危険にさらされる!という僕の焦りと器の小ささが怒りになっていたのだ。

「怒り」が湧いてきた時に、その感情を押し殺す必要はないと思っている。思いっきり、心の中で怒るといい。そして、自分を「客観視」する。

他人が自分の指示通りに動かなくて、怒ったとする。でも、それは、うまく指示が出せなかった自分にも責任があることがほとんどだ。その状態で、相手を怒ることは、他人に期待して自分に甘えている証拠なのだ。

自分が何を危険と感じているのか。危険と感じるということは、自分の領域が侵されたということだ。つまり、外部、環境に対して、自分がどこに境界線を感じているか、気づく機会だと言える。「怒り」は、自分の器を把握し、それを拡張するいい機会なのだ。

以前の僕も、他人に勝手に期待をしていた。編集者とはこうあるべきという僕の勝手なイメージがあって、「編集者なんだったら、これくらいやっておいて欲しい」と、相手に思っていた。みんなをそのイメージに当てはめて、ズレているときに怒っていた。しかし、抽象概念としてあるイメージを、他人が理解することなんてありえない。僕は、そのようなことを期待する器だった。

相手に怒りをぶつけると、一時的に感情は和らぐかもしれないが、根本的な解決にはならない。

最近、僕は「怒り」という情動を誰かにぶつけることがほとんどなくなったと思う。怒っている人に「怒ってる?」と聞くと、大抵はより怒る。もしも、僕が怒っていたら、「怒ってる?」と聞いてみて欲しい。自分を客観視する機会をありがとう!と喜ぶはずだ。もちろん、多分で、保証はできないけど。(笑)


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佐渡島庸平/コルク代表

2002年に講談社に入社し、週刊モーニング編集部に所属。『バガボンド』(井上雄彦)、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)などの編集を担当する。2012年に講談社を退社し、作家のエージェント会社、コルクを設立。

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コメント1件

ダブル公開とても面白いです!ウィンドウを二つ開いて、比較すると推敲(思考)の過程が見えるようで興奮しました!
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