人生でワンクリックを減らす

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 ネットのサービスは、ワンクリックをどのように減らすかに、命を懸けている。アマゾンが圧倒的に便利なのは、他のサービスよりもワンクリックへのこだわりがあるからだ。

 Netflixやアマゾンprimeで映像をみるのが当たり前になってしまうと、DVDを入れる行為が面倒で仕方がない。DVDしかなくて、どうしても見たくて購入したはずが、デッキにいれるという面倒さゆえに、見るのがすごく遅れたりする。つい最近までは、DVDは便利だと思っていたというのに。

 ネットの様々なサービスに触れながら、どうやったらこちらの日常感覚が変わるサービスを生み出せるだろうかということを、日々考えるようになった。

 昔、レーシックをホリエモンに勧められた時、眼鏡をかけるくらいのことを面倒に思う必要があるのだろうか?と思って、さほど興味を持たなかった。ファッションの一部として眼鏡をかけるのも好きなので、それがなくなるのは淋しい気もする。さらに、目という大事な器官を、歴史の浅い技術に委ねていいのかも確信が湧かなかったのもある。

 ホリエモンが言うことは、どんなことでも一度は信じてやってみる方なのだが、レーシックだけは、後戻りをできないから慎重になっていた。

 でも、12月に再度、QOL(quality of life)が変わるからしたほうがいいと説明された時、ふとしようと思った。以前よりもネットサービスのことを考えていたことが影響していると思う。

 眼鏡を毎日かけるという行為は、ネット上のワンクリックにあたるのではないか。ワンクリックくらい大した影響がないと思っていても、実際には大きな影響で、後戻りできないことをしっている。ネットでの比喩を人生にあてはめてみると、たかが眼鏡をかけるという行為も、一度無くしてしまうと、後戻りできないほど快適なものなのではないか、という気がしてきた。

 じっくり比較検討をしたり、手術の様子などを想像しはじめると、やる気がそがれてしまうかもしれない。その場でホリエモンがお勧めだという神戸神奈川アイクリニックで予約をして、この年始の休みで手術をした。

 今日で手術から6日が経った。正直、なぜ今まで眼鏡をかけていたのかがわからない。あまりにも眼鏡がない生活にすっと自然に溶け込んでしまって、20年以上続いていた習慣が、ここまで一瞬でなくなるのかとびっくりしている。

 IOTによって、ネットが、目に見えないところから、日常の中へと侵食しはじめている。これからの時代は、レーシックのようなことが、新しい技術で日常生活の中でもどんどん起きていくのだろう。おそろしく些細なことで、そんな変化は必要ないと思うようなことが、後戻りできないサービスとなるのだろう。想像がつかなさすぎて楽しみだ。

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佐渡島庸平/コルク代表

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