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人は、人によって磨かれる

言葉によって世界の見え方は変わる。

雨が急に降る。そして、晴れる。空にかかった虹を見るとき、あなたは何をするだろう?

僕は、虹の色を数える。7色に見えると、今日の虹は綺麗だなと思う。インドネシアの人は4色、台湾は3色に見えるそうだ。もうすでにある言葉、概念で世界の見え方が変わる。

だから、僕は、自分にいい言葉、概念をインストールしようといつも思っている。よりいい言葉を見つけたら、既存の言葉を置き換える。使う言葉変えると、世界の解像度が上がる。

このブログを書くことが、まさに、言葉の置き換えを行う作業でもある。

“人は、人によって磨かれる” 

この言葉に僕は惚れた。

『宇宙兄弟』と『FFS(Five Factors & Stress)理論』を組み合わせて、チームビルディングの本を一緒に作ったヒューマンロジック研究所の古野俊幸さんとの対談で、古野さんが語った言葉だ。

僕は、誰かと真剣に衝突しあうことが、成長には欠かせないと思ってきた。

編集者であれば、作家と真剣にぶつかり合う。すると、自分と相手では考え方や見えている景色が違うことに気づく。それを繰り返すことで、お互いの視野が広がっていくのだ。

ただ、これは、お互いを尊重し、相手を理解したいという気持ちがないとはじまらない。自分が絶対に正しいという前提で接してしまうと、単なるマウントの取り合いになってしまう。真剣かつ健全な衝突が求められる。

健全な衝突の重要性は、ビジネスの世界でも説かれている。

様々なヒット商品が生まれた背景が書いてある『突破するデザイン』には、イノベーションを起こすには、信頼できるパートナーとペアを組み、疑問をぶつけ合い、衝突と融合を繰り返すことが重要と書かれている。

「タックマンモデル」というチームができるまでの4つの成長段階を説明するものがある。そこでも、各メンバーの本音の意見をぶつけあう「ストーミング(混乱期)」の重要性が説かれている。

僕は、自分が成長するためにも、会社が成長するためにも、健全な衝突をいかに起こしていくかを常に考えてきた。

だが、「衝突」という言葉には、少し攻撃的なニュアンスが含まれている。どんなに衝突の大切さを説いても、ポジティブに捉えることが難しい言葉だ。

他人と真剣に向き合うことが、自分を成長させる機会となることを伝えるために、どういう言葉で伝えばいいのか?

そんな事を考えていた時に出会ったのが「人は、人によって磨かれる」だ。

ダイヤモンドを研磨し、カットし、永遠の光沢を出すには、同じダイヤモンドで磨くしかない。

人も一緒だ。人は、一人で部屋にこもって、知識を蓄えても成長できない。人に揉まれ、磨かれ、成長する。

成長には衝突が欠かせないという考えより、人は人によって磨かれるという言葉に含まれる考えのほうが、僕が伝えたいことを的確に表している。

僕自身、衝突がしたいわけではない。ただ、お互いを磨いていきたいだけだ。

人は、人によって磨かれる。この言葉を僕は、これから繰り返し使うだろう。

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