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「コミュニティと作る」と「コミュニティになじむ」

僕は、4回、転校している。
幼稚園、小学校、中学1年、中学3年の4回。どれも親の仕事の関係で転校した。
みんなは、お互いをもうよく知っているけど、僕だけ誰も知らない、という状況だ。南アフリカの現地校にも研修で通ったし、サッカーチームも入れ替わった。その時も、僕だけでコミュニティで誰とも繋がっていない状態で始まった。

だから、実は計6回、知らないコミュニティに、一人で飛び込むという経験をしている。
一方、大学など学校の入学は、転校とは、随分状況が違う。始めはお互いに知らない。そのような環境で、徐々に知り合っていく。コミュニティになじむのではなく、コミュニティを作っていく。

多くの人は、「コミュニティを作る」の経験値はそこそこあるけど、「コミュニティになじむ」の経験値がないのではないか。それが最近の僕の気づきだ。

コルクには、カヤック古参の中堅社員・永安さんが、1ヶ月間、有給を使って社会人インターンに来ていた。

そこでの彼の学びと気づきは、カヤックの人事部のnoteと永安さん個人のnoteにまとめられている。

僕は永安さんを見ていて、「コミュニティになじむ」という技術が存在することに気づいた。

ベテラン社員の永安さんも、コルクに来て、初めの数日はかなり緊張したという。そして、チャットログなどを読み、それぞれの人のキャラクターを知り、コミュニケーション方法を知り、あっという間になじんでいった。最後には、コルク社内で、#やっさんいかないで というつぶやきがたくさんされるほど、いないと困る人へとなっていた。

仕事ができる=専門知識×なじむ力 だ。

専門知識は超一流でも、コミュニティになじむ力がないと、その力は発揮されない。しかし、この「なじむ力」のところは定量化しづらいから、意識されにくい。

僕は幼少期の経験のおかげで、知らず知らずのうちに「なじむ力」が鍛えられていた。それで、仕事をするときに、専門知識がそこまでなくても、すぐに何らかの結果を出せる。それが小さい成功体験になって、正のサイクルに入っていき、仕事ができるようになっていったのだと思う。

大企業であれば、入社時に同期で、小さな「コミュニティを作る」。それで、そこにある程度なじむと、会社全体のコミュニティに移動する。

一方、ベンチャーであれば、同期という概念は存在しない。どんどん人が入れ替わっていく。新しく入る人も、元からいる人も、なじむ技術がないと、そこは居心地が悪い場所になってしまう。

転校すると、そのコミュニティの大事なイベントを知らなかったりする。修学旅行が終わったあとに学校に入ると、みんなその思い出話をする。全くそれについていくことができない。だから、修学旅行がどんなものだったのかを一度、詳しく誰かから聞く。そして、全体像を把握しておくと、自分が会話に参加することができなくても、理解しながら聞くことができる。

コミュニティには、たくさんの暗黙知がつまっている。その暗黙知をどのように聞き出すのか、が実は重要な技術なのだ。

そして、永安さんが、コルクでどんな仕事をしたのか? 人としてコルクになじんだだけはなかった。仕事には、たくさんの名づけえぬものが存在する。組織が大きくなっていく中で、その名づけえぬ仕事が、誰の責任かわからなくなって、放置される。些細なことなのだけど、それを丁寧に整理する人がいないと実は組織は回らない。カヤックが大きくなっていく中で、その役目を担っていた永安さんは、コルクでもまさにその役目をやってくれた。

結果をだす仕事ではなく、なじみやすい組織になるように漏れをふさいでいく。その時の手法が、人事でも評価制度でもなく、エンジニアリングによる業務効率化の支援だった。

そのような役目は、コミュニティマネージャーとして、すごく重要になっていき、新しい職種として名前が与えられることになるだろうと感じた。

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佐渡島庸平(コルク代表)

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コルク代表・佐渡島のnoteアカウントです。noteマガジン『コルク佐渡島の好きのおすそ分け』、noteサークル『コルク佐渡島の文学を語ろう』をやってます。編集者・経営者として感じる日々の気づきや、文学作品の味わい方などを記事にしています。

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