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「出会い」をなめらかにする

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 インターネットによって、何が変わったのだろう? そして、どう変わっていくのだろう?

 「インターネットによって変わるのは、出会い」なのだと最近、僕は理解している。インターネットは、社会をなめらかにすると、色々な人が口にする。では、なめらかとは、どんな状態か? 出会いが、なめらかな状態だ。インターネットによって、人、モノ、コト、情報、全てのモノとの出会いがなめらかに変わった。

 現実の世界は、出会いが唐突で、その不自然さを耐えることができる人が、優秀な人とされた。男女の出会いの変化を見るとわかる。出会う機会が全くないときは、家同士の結婚だった。相性がいいのかどうかという個人の気持ちは、無視された。個人の気持ちを尊重すると、社会が回らなくなるからだ。

 その後、女性が学校へも行き、共学が一般的になり、職場でも出会うようになると、自由恋愛が増えてきた。学校や職場などでうまく出会えないときは、合コンなどで出会う。

 僕らの世代は、出会い系というと、いい印象を受けない。しかし、最近は、アプリで男女が出会うのが一般的になってきている。アプリ上でお互いの趣味などが一致することを確認した上で、コミュニケーションをとって、それで違和感がなかったら、リアルで会う。そのような順序の出会いだと、出会いがなめらかで、仲良くなりやすい。出会い系アプリは、昔のような胡散臭い場所から随分、変わってきている。(もちろん、同じように胡散臭いものが存在するが。)

 Uberは、車という移動手段とのなめらかな出会いを設計したサービスと言える。車を所有し、保管するという手間が必要だったのが、Uberによってなくなった。Airbnbは、部屋という空間とのなめらなかな出会いだ。食べログはレストラン、価格コムは電化製品をはじめとした商品、クックパッドはレシピとの出会いをなめらかにした。

 ネットの本質は出会いだと考えると、出会い系アプリには、その知見が詰まっている。そう考えて、オンラインサロンのサイトの設計にどう活かそうか考えていた。この前、アイスタイルの創業者の吉松さんとグロービスのパネルディスカッションで一緒になった。その時に、吉松さんが「出会い系のアプリ」を@コスメの為によくみてる、ということを主張していて、自分の思考の方向性は間違っていなかったと改めて感じた。

 社会人になると、親友ができにくい。高校や大学時代に知り合った人たちだけが、利害関係がなくて、親友になる。そんなことを今まで言う人がいた。

 コルクラボと言うオンラインサロンをやっていて驚いたのは、親友が生まれていることだ。実は、今までの社会は、異性だけでなく、同性同士でも出会いがなかった。オンラインサロンというものがなぜ流行っているのか、理解できない人が多いと思うのが、「気の合う仲間と出会いたい」という漠然とした欲望を叶えるコミュニティになっていると僕は思う。

 ネットは、出会いを変える。そう定義した時に、音楽との出会いは、Spotifyが変えた。動画との出会いは、YouTube。映画との出会いは、Netflix。では、漫画との出会いはどうだろう? Kindleは、便利だが、出会いは変えていない。実は、漫画との出会いを変えるネットのサービスはまだ存在していない。

みんなでマンガを語る場「マンバ」https://manba.co.jp/ は新しい作品との出会いを可能にするプラットフォームを目指している。

一方、コルクBooks https://corkbooks.com/ 、新しい作家と出会えるマンガのSNSを目指している。

 ネットとは出会いだと思うが、人生も一期一会。出会いをよくするとは、いい人生について考えることと似ていると、最近は感じている。

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