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偶然の出会いだから手伝う ALSの日

 僕とALSの関わりのきっかけは、実は『ドラゴン桜』にさかのぼる。『ドラゴン桜』には、東大の医学部生のノートが出てくる。そのノートの彼は、今、医者として活躍していて、まさに昨晩「ガイアの夜明け」で特集されていた。

 彼が医者としてキャリアを歩んだ時、ボランティアでALS患者に関わっていた。それで詳しい話を聞いて、『宇宙兄弟』に取り入れたのだ。わらしべ長者のように、人生の出来事は連続している。

 取り入れると決めた時に、もっとも役立った本は、川口有美子さんの『逝かない身体』だった。川口さんと僕はこんな対談をしている。

 ALSという病気の怖さは、死への恐怖だけではない。思考は正常で、体が動かなくなり、最後は眼も動かなくなり、暗闇の中に閉じ込められる。死なずに生き続けることも恐怖の対象だ。

 中高時代に僕は、『ジョニーは戦場に行った』という本を繰り返し読んだ。ジョニーは戦傷者だが、その状態はALS患者のようである。僕は、何度も、自分がそのような状況に置かれた時に、何をどう考えるのか妄想していた。だから、ALSという病気を知った時、興味を持ち、より深く知ろうとしたのかもしれない。

 ALSの人達が、どれだけの恐怖を処理しながら、日常生活を営んでいるのだろう? 想像しきれない。おそらくどんな想像も、本当は的外れなんだろう。

 世の中には想像しきれない苦悩はたくさんある。その全ての解決を手助けすることなどできない。苦悩に優先順位をつけることもできない。すべての苦悩は、直面している人にはそれが常に優先順位1位だからだ。

 僕がALSの人々を支援する論理的な理由はない。生きている中で、偶然の積み重なりで、ALSとすれ違った。すれ違って別々のところへ行かずに、立ち止まることにした。それで手伝うことにしたのだ。運がいいことに、コルクには、一緒に手伝いたいと言い出す仲間がいた。

 今日、6月21日は、世界的なALSの日だ。数年前には、アイスバケツチャレンジが流行った。単年度的な盛り上がりではなく、継続的な取り組みになるように、せりか基金というものをつくった。今年は、その初年度。今日は、少しでも多くの人が、ALSのことを考えてくれるきっかけをこのブログでつくれたらと思う。

 せりか基金がどんなことをしているかは、こちらでじっくりみてほしい。

 今晩は『ギフト 僕がきみに残せるもの』というALSのドキュメンタリー映画のイベントもある。僕も参加する予定だ。この映画は、ALSに全く興味がない人がみても、感動する。すごくお勧めだ。

 今日は、普段僕のブログにサポートしてくれる人は、よければせりか基金に寄付をしてもらええればと思う。寄付はこちらから。

 


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佐渡島庸平/コルク代表

2002年に講談社に入社し、週刊モーニング編集部に所属。『バガボンド』(井上雄彦)、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)などの編集を担当する。2012年に講談社を退社し、作家のエージェント会社、コルクを設立。

コルク佐渡島、note加藤のコンテンツ会議

コルク代表・佐渡島庸平、noteやcakesの運営会社ピースオブケイクの代表・加藤貞顕が、その週にふれたコンテンツについて書いていきます。毎週水曜日更新(予定)!

コメント1件

こんばんは。^^
京都大学iPS細胞研究所等のチームが、ALSの治療薬開発につながる有力な候補物質を、患者由来のiPS細胞を使って見つけた、と5月のニュースにありました。日進月歩、良い未来が早く来ると素敵ですね。^^

赤城 春輔
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