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欲望に素直な息子を見て、思うこと。

福岡と東京の2拠点生活をはじめて、新しく生まれた習慣がある。

東京にいる時、ぼくは毎朝7時にモーニングコールを息子にかけている。

正確にいうと、妻にLINE電話をかけて、妻がスマホをもって、息子の部屋にいく。そこで、スピーカー越しに、「朝だぞ」「起きよう」といった言葉を息子に投げかける。

でも、息子は全然起きない。

それでも言葉をかけ続けるのだけど、かたくなにベットから起き上がらない。東京にいる時は電話越しに、福岡にいる時は対面で、毎朝このやりとりを繰り返すのだけど、目を開けようともしない相手に接していると、さすがにげんなりしてくる。

そんな息子が、朝7時に起きるようになった。

きっかけは、学校に行かない選択肢を完全に認めたことだ。

東京にいた頃から、不登校だった小学生の息子は、福岡にきてからも、学校に通うことに抵抗を示していた。ぼくも妻も、嫌だったら、無理して学校に行かなくていいよと言っていた。

息子との約束は、朝7時起きて、朝ごはんを食べることだけ。学校は毎日その日の状態で決めようとしていた。

しかし、これだと息子は起きれなかった。朝ごはんの時に、僕らに説得されてしまうかもしれない。息子が、毎日、新しい一日がくるのが憂鬱で、ベッドから出たくない。それをどうにか変えたかった。

ある日、やっと学校へ行く気になって家を出たと思ったら、10分もあれば着くのに、1時間以上かけて登校していたことが判明した。そこまで、楽しめないことを我慢して、楽しめるようになる必要があるのか。毎朝、その日を楽しみに、ワクワクしながら目覚めてほしい。

妻と話し合い、向き合い方を変えることにした。学校に行くことを前提に接するのではなく、学校に行かないことを前提に接するようにした。

すると、起きなかった頃が嘘のように、朝から溌剌と過ごしている。いま、東京からモーニングコールをかけると、しっかりとベットから起き上がって、ちょっとした会話が生まれるようになった。

また、最近、息子が積極的に家事を手伝うようになった。

理由は、クワガタを飼うのためのお小遣いだ。我が家では、家事を手伝うとお小遣いというルールにしている。以前は「お手伝したら?」と言っても、見向きもしなかったのが、今は自分が手伝えることはないかと自分から動くようになった。

そんな息子の変化を見て、欲望に正直だやつだなぁと感じる。

同時に、心の声に素直な息子に、いまの時代のあり方を重ねる。

これまでの学校教育は、自分の欲望を押し殺して、社会のスタンダードに合わせて、自分の心をコントロールすることが求められていた。だが、そのスタンダードもダイバーシティを重視する社会へと変化する中で、絶対ではなくなっている。ビジネスの世界においても、同様だ。

世の当たり前や権威ではなく、自分の心の声のほうが重要で、だから、内省やコーチングにしっかりと取り組む人が増えているのだ。

結局、欲望がないと、人は動かない。

動けたとしても、それは無理くり動かしているだけで、たいした結果には繋がらない。なにより、やっている本人が不幸だ。

ぼくは、子どもたちの欲望がどんどん湧くようにして、他人を傷つけることでない限り、その欲望を邪魔しないようにしたいと思っている。

欲望は、これからの社会で生きる強みだとも思っている。

…と考えながらも、息子たちには「お前ら、もっとルール守れ。ワガママすぎ。家族のみんなの気持ちを考えろ」と怒ったりもする。子どもたちの何がいい欲望で、何がワガママなのか。そもそも、ワガママなどあるのか。

長男に引き続き、次男も完全に不登校になり、我が家の子育て奮闘記は、正解が何かわからないまま、日々更新中!!


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コルク代表・佐渡島のnoteアカウントです。noteマガジン『コルク佐渡島の好きのおすそ分け』、noteサークル『コルク佐渡島の文学を語ろう』をやってます。編集者・経営者として感じる日々の気づきや、文学作品の味わい方などを記事にしています。