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新連載開始!編集の裏側を全て公開!!

今週、僕と一緒にやっている2人の新人マンガ家の新連載がはじまった。

ひとつは、やじまけんじ君が描くコッペくん

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もうひとつは、つのだふむ君が描く『りさこのルール』

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両方ともLINEマンガで連載中。5話目までは無料で読めるので、是非読んでみてほしい。そして、面白いと感じてくれたなら、「いいね」や「コメント」をもらえると嬉しい。

『コッペくん』も『りさこのルール』も1年以上前から連載開始に向けて準備をしてきた。僕のnoteマガジンでも制作途中のネームを公開したことがあるが、今になって見返すと、この1年間の2人の成長が実によくわかる。

2人とも何度も何度もネームを描き直し続けて、コッペくんにおいては、第1話の原稿を「これで行こう」とお互いが納得したのは50稿目だったらしい。

「りさこのルール」は、原稿まで完成したけど、やっぱりやり直そうとなってゼロから描き直しもした。

どこまでも粘って、新連載の準備をした。

僕は新連載がはじまる際には、ヒットしてほしいと強く願う一方、「ヒットするかどうかは時の運」と達観している部分も実はある。世の中に受け入れられるかは、タイミングや運にどうしても左右されてしまう。だから、結果がでなかったとしても、自分たちに才能がなかったと悲観する必要はない。それよりも、気持ちを切り替えて、次の作品に集中することが大切だ、という考え方をしている。

ただ結果がでるまでは、編集者として出来る限りの手を使い最善を尽くす。その粘り強さこそ、僕の最大の武器だと思っている。

そして、ヒットを生むために欠かせないのが「マーケティング」だ。と言っても、僕は宣伝媒体を買ったりという一般的にイメージされるマーケティングを行うわけでなはない。

作家が、キャラクターを模索する。そのキャラクターと合致するテーマを見つけるのを編集者として手伝う。

宇宙兄弟の場合、兄弟のキャラクターを小山さんが作る。そこに時代性のある「宇宙」「絆」という設定とテーマを提案した。

作品のテーマと時代の空気が合致するとヒットは生まれる。ヒットは、作品の質だけでなく、時代との相性も大事だ。

今、どういうものが世の中から求められているのか? これからの社会で価値と見なされるものは何か? そういった時代の空気と作品を結びつけることが、編集という行為であり、コンテキストをつくることだ。

作家の個性がのびのびと作品に表現されていく中で、自然と描けるテーマを探す。それが、第三者として、客観的に作品をみる編集者の役割だ。

例えば、『コッペくん』。コッペくんは日常に面白味を見つけることに真剣なキャラクターであることがわかってきた。どんなささやかなことも、遊びに変えて楽しんでしまう。そんな「遊びのプロ」として、コッペくんを描いていこうとなった。

僕が「遊び」の方向性であれば時代の空気とも合致すると思ったのは、noteでも散々書いていることだが、これからは「遊びの時代」になるからだ。

作業を正確にやることや、効率的に物事を進めることは、AIや機械に置き換わっていく。それよりも、誰も見向きもしなかったことに、意味や面白さを発見し、それを伝えていく人に価値が高まっていく。一見つまらなそうなことを、面白い遊びに変えてしまえる人が、これからの時代をリードしていくのだ。このひろゆきさんのインタビューなど、まさに、コッペくんと同じテーマだ。

でも、「遊びのプロ」になるのは難しい。コッペくんを読んでいるうちに世界への見方が変わり、気づくと自分も遊びのプロになっている。そんな物語を目指している。

一方、『りさこのルール』は、他人の言葉を鵜呑みにして自分を持たない主人公・園田が、誰のルールにも縛られないりさこと出会うことにより、マイルールを探す物語だ。

現在は、統一されたロールモデルが失われ、多様性がますます広がっている時代だ。これまでのマンガは、何者でもない主人公が「強さ」や「地位」といった指標に沿ってレベルアップしていく物語を土台にしていた。だが、現在は価値を測る物差しがバラバラだ。一人ひとりが自分の物差しを見つけ、マイルールを築く必要がある。

つのだ君から最初にネームが上がってきた時は、園田とりさこの少し変わった恋愛マンガだった。しかし、それだけだと女性の描く恋愛マンガの方が魅力的だ。どうやって園田に時代性を持ってもらうか。園田は、つのだ君とそっくりなところがたくさんあった。この作品を書き続けることによって、つのだ君自身も、自分のマイルールを見つけて成長する。作家としての課題と、園田の課題が重なった。


とはいえ、コッペくんは本当に「遊びのプロ」になれるのか? 『りさこのルール』の園田はマイルールを見つけることができるのか? それは、まだわからない。どちらもテーマが、少し抽象的すぎるところもある。スマホで、すごく早い時間で作品を読んでもらう時、このようなテーマは伝わるのか。

この2つの作品が、これからどんな物語を紡いでいくのか。
ぜひ、一緒に読み続けてほしい。

りさこのルールはこちらから。


コッペくんはこちらから。


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