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自分を押し殺して、我慢する癖がある人が共感しそうな恋愛マンガ『こどものおもちゃ』

『こどものおもちゃ』という少女マンガを読んだら、面白かった。

僕は全く知らなかったのだけど、マンガHONZのメンバーに聞いたら、男性もみんな知っていた。昔、大ヒットしたらしい。少女マンガで恋愛となると、僕の守備範囲外すぎて、ヒットしていても知らなかった。

でも、読み始めたら、大人の男性でも十分楽しめる、先が気になる恋愛マンガだ。逆に、小・中学生の女子は、これを本当に理解できるのか? すごく繊細な感情が描かれている。子どもにはやるためには子ども向けに書くのではなく、大人も感動させられるものでないと子どもにも受けない、ということをよく言うが、それのお手本のような作品だ。

なんで、僕が、この本を読もうと思ったのか。

僕は、新しい作家を担当するようになると、その作家の作品を繰り返し読むだけなく、その作家に影響を与えた作品も読む。なぜ、その人にその作品が影響を与えたのだろう、と考えながら読むと、その作家の作品を読むだけよりも、ずっと深く作家のことを理解できる。

そういう努力を作家のためにはするのだけど、コルクの社員のためにしたことはなかった。でも、新しく入ってきたスタッフがとても優秀で「無給でもいいのでおいてください」とやってきて、2週間もしたらアルバイトになり、1ヵ月もしたら、契約社員になり、2ヵ月目には社員となって『宇宙兄弟』の担当をするようになった。最近では「ユヒコ」として宇宙兄弟のメルマガを書いて、ファンとコミュニケーションをとっている。そのスタッフの才能をより伸ばしたい!と思って、自分の人生に影響を与えた本を教えて、と聞いたら『こどものおもちゃ』と言われたのだ。

正直、1巻の表紙を見て、僕とそのスタッフは分かり合えないと思った。世代的な差もあるし、こんな中学生の恋愛には興味を持てないと思ったが、十分楽しめた。いや、名作と言っていい恋愛少女マンガだと思った。

「『こどものおもちゃ』の一番すごいところは、シリアスな内容を、ギャグも交えながら読者の心に響かせているところ。当時(1995年)の社会問題、学級崩壊(その中でも教師いじめ)、家族の問題、父と子の関係、母と子の関係、血のつながっていない親子、チャイドル(こどものアイドル)、若くして出産し赤ちゃん捨てる、自殺、精神病(表情のなくなる病気)、ホームレスなどを描ききっているところ。

大人がわかっていない、こどもの抱える闇・孤独を描き、漫画で表現したことで、周りの大人よりもこの作品の方が自分を理解してくれる、と感じたのではないか。そして、人生のバイブルになった人が多いのではないか」というのが、ユヒコの感想。

恋愛少女マンガという言葉で一括りにはできない作品なので、絵柄などが趣味でない男性読者も、読んでみることをお勧めする。

ちなみに僕はこの作品を読んだことで、ちょっとだけ「ユヒコ」という社員が、会社では見せない顔も理解することができ、仕事を一緒にしやすくなった。  

こどものおもちゃ 全7巻セット (集英社文庫―コミック版)

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