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性格を変えるのが難しくない時代がやってきた

『キズナアイ』というVチューバーを、知っているだろうか。

現在、Youtubeのチャンネル登録者数は250万人規模。リアルなコンサートを実施したり、最近ではCMに出演するなど、リアルなアイドル以上の人気を集めるアイドルだ。

キズナアイをはじめ、様々なバーチャルタレントのプロデュースや、マネジメントをしている会社が、Activ8だ。そこに、昨年『ドラゴン桜』の桜木先生のマネジメントを依頼。

桜木のVチューバーとしての活動が始まった。

コルクとしてもVチューバー事業の可能性をしっかり見極めたいため、僕も、桜木がVチューバーとして収録をする際は必ず立会い、彼の活動の全てに付き添うようにしている。桜木は、僕が立ち会わないと独り立ちできない。

桜木を観察していて、気づいたことがある。

中の人の性格が、桜木でいる時と、それ以外の時で違うのだ。中の人が普段は言い切らないことまで、堂々と言い切る。それは演技ではない。自然な発露としてだ。

車を運転していると、性格が大胆になる人がいる。車という機械によって、人格が拡張されるのだ。車だけでない。介護現場で、パワードスーツの開発が進んでいるが、スーツを着た高齢者は、身体的に強化されるだけでなく、性格までもが変わるそうだ。

小説家の平野啓一郎さんと話していて、ハッとしたことがある。

コンテンツでバーチャル空間を描く時、1990年代は、映画『マトリックス』のように、人間は生身の身体のままでバーチャル空間に入っていた。人間は常に自分の体に縛られていた。生身の体で、現実世界とバーチャル世界を行き来していた。

しかし、最近の映画をみると、生身のままでバーチャル世界に行く作品が一気に減っている。

アバターになって、その世界へと入って行く。

2009年の映画『サマーウォーズ』が典型だ。2010年代に入り、その流れは加速しているよう思える。

そして、車やパワードスーツと同様に、アバターに自分の体を重ねることで、精神までが拡張していくのではないだろうか。

この不思議な感覚は、5年、10年経ったら、誰もが当たり前のものになるのかもしれない。スマホがない世界を誰も想像できないように、アバターがない世界を誰も想像できなくなる。

性格を変えるというのは、今までだともっとも難易度が高いことだった。でも、アバターとして、バーチャル空間で違う分人で過ごし、その分人を徐々に増やしていけるのではないか?

Vチューバーは、単なる流行りではなく、人類の精神のあり方を変える大きな変化の最初の一歩かもしれない。見るだけではなく、やってみる側になることをおすすめする。


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佐渡島庸平(コルク代表)

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コメント (3)
アバターを挟むと、通常の人はアバターじゃない自分との乖離に苦しくなるんじゃないかとも思うんだけど、そういう感覚は無いかどうか知りたい!!
過去に流行ったアバターとVチューバーは違うのかな?

私は桜木先生のVチューバーを見ていて、桜木先生って、サディがモデルだったんだ、と思ったけど(しゃべってる内容聞いて)、実際はサディが桜木先生に引っ張られてるんだね。

キャラが近づきあっていくのかしら。
本の紹介や映画の紹介、読んだきっかけと軽くでも面白かったところあると嬉しいです。

すごい各論ですが「直感と理論をつなぐ思考法」の本
佐渡島さんの発見あったら聞いてみたいです。

卒園式の心境が新鮮でした。。!
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