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観察力がある人は「タイミングの見極め」が上手い。 【観察本プロジェクト #02】

一流のクリエーターや経営者に会うと、ふとした会話の際に「そんなところまで見ていたのか!」と驚くことが多い。ほとんどの人が気づかないちょっとした「歪み」や、見落としてしまいそうな「美しさ」に彼らは気づく。

誰も読んだことがない物語を作る人も、誰も想像ができないサービスや事業を実現する経営者も、優れているのは「想像力」というよりも「観察力」なのだ。

どうやって「観察力」を高めるか?

新人マンガ家を育成する上でも、僕自身が経営者・編集者として成長していくためにも、この問いに対する解像度を高めていきたい。そう思い、『僕らの仮説が世界をつくる』『WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE』に続く3冊目として、「観察力の鍛え方」をテーマとした本を書く予定だ。

そこで、noteマガジン『コルク佐渡島の好きのおすそ分け』では、本が誕生するまでの行程を、マガジン読者のみんなに共有していきたい。

今回は、一緒にやっているSBクリエイティブの編集者・坂口さんと、いつも僕のnoteを一緒にやっているライターのいでっちによる、第二回目の取材の模様をレポート記事として公開。

<ライティング・編集協力:井手桂司

・・・

正解っぽい「結論」にすぐに飛びつかない。

ーー まずは前回の話の確認からです。観察力を鍛えていくには、先に結論を決めずに、「判断保留」の態度でのぞむことが大切という話がありました。

佐渡島:
そう。例えば、子供が家での勉強を全然やらなかったとするじゃん。その様子を見て、「この子は勉強が嫌いなんだな」と結論を出してしまうと、「嫌いな勉強を、いかにやらせるか」という頭でしか子供に接せなくなってしまう。

でも、その判断を保留して、子供の様子をよく観察していくと、勉強が嫌いなんじゃなくて、学校で嫌なことがあったから勉強に身が入らないという選択肢も見えてくるかもしれない。

そういう風に、すぐに目の前の情報を見て、すぐに結論を出すのではなく、まずは判断保留する。「わかったつもりにならない」という話にも繋がるよね。

正解っぽい結論が目の前にあると飛びつきたくなってしまうのかもしれないけど、それに流されないことが大切かな。

世間一般で使われる「物差し」をまずは抑える。

ーーまた、観察で重要なことは「物差し」を持つという話もありました。ただ、どうやって「物差し」を手にすればいいんでしょうか?

佐渡島:
はじめは全員が、世の中にどんな物差しがあるかを知らないんだよね。

まずは、世間一般でよく使われる「物差し」を知ることが大事

例えば、「面白い」作品と言われる時、どんな物差しによって、その作品は面白いと見なされているのか。僕は編集者として働く前までは、世間が何を面白いと思うかを全く知らなかった。学生の頃は、自分が「面白い」と感じたものが「面白いもの」であって、それ以上の定義はなかったんだよね。

でも、働きはじめると、自分が面白いと感じるものと、世間が面白いと見なすものに大きなギャップがあることがわかってくる。自分が最高に面白いと思っている出版物の販売状況をデータで調べてみると、全然売れてない事実がわかってくるわけだよ。

すると、世間で面白いと言われている対象は、どういう物差しで面白いと見なされているのかを分析しはじめる。同時に、自分だけが面白いと感じている対象にも、自分がどんな物差しで見ているかを考えるようになってくるんだよね。そうやって、物差しの数が増えていくわけ。

20代の頃は、世間の物差しに合わせて作品を作っていった。それで、ヒット作も生まれて、自分の分析は間違っていなかったと確認することもできた。でも、30歳くらいになってくると、自分の物差しも大切にしたいと思うようになって、自分と世間の物差しで折り合いがつく作品を追求していきたいと思うようになってきたんだよね。

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観察力がある人は「タイミングの見極め」が上手い。 【観察本プロジェクト #02】

佐渡島庸平(コルク代表)

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コルク代表・佐渡島のnoteアカウントです。noteマガジン『コルク佐渡島の好きのおすそ分け』、noteサークル『コルク佐渡島の文学を語ろう』をやってます。編集者・経営者として感じる日々の気づきや、文学作品の味わい方などを記事にしています。

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『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』などのマンガ・小説の編集者でありながら、ベンチャー起業の経営者でもあり、3人の息子の父親でもあるコルク代表・佐渡島庸平の思考を「おすそ分け」していくマガジンです。表では書きづらい個人的な話を含め、日々の日記、マンガや小説の編集の裏側、ここだけの対談レポート記事などを公開していきます。 詳しくは:https://www.sady-editor.com/n/ncaf941f64a0d

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