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ありたい姿が明確になると、視点が自然と変わっていく

創業してから10年が過ぎ、目指す経営者像が全く変わってきたという話を、以前にnoteで書いた。

ぼくのあり方を振り返ると、チームを引っ張ろうという考えが以前は強かった。率先して先頭を走り、みんなを力強くリードしていく。率先垂範。それが経営者としても、リーダーとしても、あるべき姿だと思っていた。

でも、ぼくがコルクで目指したいのは、一人ひとりのメンバーが個性を発揮し、ぼく一人では想像もつかなかったような面白い企画が続々と生まれるようなチームだ。

チームビルディングについて勉強したり、自分の社内での振る舞い方や社員との接し方を定期的に見直すなかで、「経営者である自分は、その集団の先頭にいない方がいいのでは」という考えが生まれるようになった。

会社が目指しているビジョンに向かって、それぞれの力が発揮できるように、みんなの背中を押していく。リードというよりかは、モチベートしていく存在。それが自分が目指したい経営者像だと気づいてきた。

それをより明確に認識できるようになったのは、昨年から続けている『4行日記®︎』のおかげだ。

以前に投稿した『4行日記を継続すると、何が見えてくるか?』というnoteにも書いたが、自分の日記を読み返していくと、「自分はどんな人間なのか」が見えてくる。

4行日記では、その日の「事実」「発見」「教訓」を踏まえて、最後の行では自分はどういう存在なのかを「宣言」する。この毎日の宣言を読み返すと、自分がどんな価値観を大切にしていて、どういう人間でありたいのかが、自分の言葉で伝わってくるのだ。

同時に、4行日記のもたらす変化として、「自分はこういう人間でありたい」と宣言を繰り返すことで、ありたい姿に向かって思考や行動が無意識のうちに変容していくことが挙げられている。

そうした説明を以前から聞いていたのが、そのことを実感する出来事が先日あった。とある仕事の打ち合わせのワンシーンで、打ち合わせ相手が以下のような発言をした。

「わかりました。すごくいいと思うので、これをやっていきましょう。ただ、ぼく以外のメンバーも乗り気になって取り組まないと意味がないので、みんなに説明する時間をもらっていいですか?

みんなが『これをやってみたい。これをやることは自分たちにとって意味がある』と思えるように話をしてみたいと思います。そのために、みんなに説明するためのサンプルをいただいてもいいですか?」

ぼくはその発言を聞いて、「この人のリーダーシップのあり方はすごくいいな」と思い、打ち合わせ後もその発言が頭から離れなかった。記憶に残った。

今までだったら、そういう発言があっても気にも留めなかったと思う。どちらかというと、決める力が弱いと思ったかもしれない。

でも、「自分がどうありたいか」が明確になってきているため、そのヒントになりそうなことが目の前にあると、無意識のうちにキャッチするようになってきているのではないか。

これが「リフレーミング」ということもしれない。リフレーミングとは、物事を見る枠組み(フレーム)が変わり、違う視点で捉え、新しい発見や学びを得ることだ。

創業した頃は、現場の平社員だったぼくからみて理想的だった人を、リーダー像として持っていた。だから、リーダーが即断即決をし、チームをスピーディーに動かしていく人をかっこいいと思った。チームの意見を聞いてからと言ってると、「この人のリーダーシップないのだなと」と自分の知識だけで決めつけていた可能性すらある。

この枠組みをもって、色々な人たちの言動を改めて観察していくと、今まで見落としてしまっていたものが見えてくるかもしれない。そうしたワクワク感のようなものを感じている。

振り返りの正しい姿勢を身につけ、学び方自体を洗練させていく。その重要性を改めて感じることができた。

そして、自分が「組織を作りたい」と強く思っていることを自覚した。昔、「ヒット作を生み出したい」と思ったように、創造的で柔軟な組織を作りたい。2023年、44歳のぼくは。


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表では書きづらい個人的な話を含め、日々の日記、僕が取り組んでいるマンガや小説の編集の裏側、気になる人との対談のレポート記事などを公開していきます。

『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』などのマンガ・小説の編集者でありながら、ベンチャー起業の経営者でもあり、3人の息子の父親でもあるコルク代表・佐渡…

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