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模倣者は変化できず、本物は変化し続ける

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 千葉にユーカリが丘という街がある。

 義理の姉夫婦が住んでいるので、行ったことがある。その時は、ただ郊外の街だとしか思わなかった。よくある平凡な街だと記憶しただけで、ほぼ印象がなかった。

 ユーカリが丘という街は、山万という会社が生み出した街だ。その街のほとんどの土地を山万という一企業が持っている。街の名前も山万がつけた。未来を意識して、カタカナ、ひらがな、漢字を組み合わせたそうだ。

 山万のホームページはこちら。サイトから、山万の先進性は感じれない。http://www.yamaman.co.jp/ 先進的なことをしていると、自分たちの先進性を伝えることには無頓着になるいい例だ。しかし、読み込むと、このサイトにも思想は埋め込まれいる。

 一見すると、普通の街だが、裏側にある思想、街が動いている原理が、他とはまったく違う。

 同じように、渋谷にはカフェマメヒコという喫茶店がある。美味しい、おしゃれな喫茶店。一時期、食べログの点数が高かったが、今はそれも少し高めに戻った。このカフェのオーナー井川さんに僕は魅了されている。山万に興味を持ったのと同じ理由だ。

 一見すると普通の喫茶店だが、ユーカリが丘と同じように裏側にある思想、原理が他の喫茶店とはまったく違う。

 両者から受けた衝撃は、僕の中でまだ十分、思考が発酵していなくて、言語化できていない。

 共通していたのは、コミュニティをつくるために、30年、50年先を見据えて、戦略を練っているところだ。というと、綿密な計画が立てられていて、それに従っている姿を想像するかもしれない。しかし、まったく逆だ。朝令暮改が当たり前。2、3年先のことしか決まっていない。それで、時代に合わせて、最適な形で変化している。

 山万は、いい街をつくる、ということに首尾一貫している。サイトには、「時代に応じて変化していくもの、永遠に変わらないもの」という言葉がある。

 一方、カフェマメヒコは、「あなたの体をつくる」ということからぶれていない。喫茶店の常識に縛られていると、料金や制度がよく変わる、お客を大切にしていないお店にうつるかもしれない。なぜ、劇をやったり、映画をつくっているかの、意味がわからなだろう。でも、すべての行為が、「あなたの体をつくる」というメガネをかけてみると一切、変わっていない。手段だけが、時代と井川さんの得た知識によって変わっていってるだけだ。1年ぶりとかに井川さんと話すと、本質がぶれずに、時代に合わせてあり方を変えていて驚く。

 両者に共通しているのは、変化を恐れていないことだ。本質を捉える努力をしている人は、その努力に自信があるから、手段を変えることを恐れない。逆に、時代が変化しているのに手段が同じで、目的へと近づくのが遅れてしまうことを恐れている。

 本物を模倣する人は、手段を模倣する。手段を模倣した人は、時代に合わせて変えることができない。一度、習慣化した手段を、原理主義的に守ってしまう。

 模倣する人は変われなくて、本質を追い求める人は、変わり続ける。それが、ユーカリが丘に行って僕が気づいたことだ。

 今週の8日は、「We are lonely, but not alone」の発売日。ぜひ、#コミュニティを考える で感想や自分なりのコミュニティ体験を書いてください。読みます。

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 コメントもありがとうございます。細分化は、よくわからなかったという反応も個別にもらったりして、反応が分かれたのが再思考するのに参考になりました。

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